主な新興国経済ニュース(4月16日)
【ポーランド‐4月16日】財務省、4‐6月期に円建てなど外債発行の可能性を示唆
ポーランド財務省は4-6月期中に外債発行による資金調達の可能性があることを明らかにした。地元週刊紙ワルシャワ・ボイス(電子版)が15日に伝えた。
これはポーランドのボイチェフ・コバルチク財務次官がポーランド通信社(PAP)とのインタビューで明らかにしたもの。同次官は、夏休みに入る前に外債発行をすることは選択肢の一つであるとしている。外債発行はユーロ建てやスイスフラン建て、円建てが考えられるという。
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【ロシア‐4月16日】投資ファンド、先週1週間で390億円の資金流出―経済懸念で
米金融情報提供大手エマージング・ポートフォリオファンドリサーチ(EPFR)によると、ロシア投資ファンドは4月3‐10日の約1週間だけで、全体の運用資産額の3%に相当する3億9300万ドル(約390億円)もの資金流出が発生したもようだ。モスクワ・タイムズ(電子版)が14日までに伝えた。
この資金流出額は2008-2009年の世界的な金融危機以来の大規模なもので、年初来では11億ドル(約1080億円)もの資金がロシア市場から撤退している。この資金流出の主な要因はロシア経済の先行き懸念が高まっているためだ。
アンドレイ・ベロウソフ経済発展相は12日に、今年の経済成長率の見通しについて、政府が景気刺激策を打ち出さなければ、ロシア経済はリセッション(景気失速)になる可能性があるとの認識を示している。また、経済発展省は11日に今年の経済成長率見通しを従来予想の3.6%増から2.4%増に下方修正したほか、2014年の見通しも4.3%増から3.7%増へ、2015年も4.5%増から4.1%増へ、それぞれ下方修正した。
アナリストは、6月まではマクロ経済に関し楽観的なニュースが期待できないことから、短期的にはロシアへの資金流入状況は改善しないと見ている。
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【インドネシア‐4月16日】日野自、インドネシアの今年の販売目標を16%増の4万台に設定
日野自動車<7205.T>のインドネシア総販売元である日野モーター・セールス・インドネシア(HMSI)のサンティコ・ワルドヨ取締役(販売促進担当)は今年の商用トラックとバスの販売台数を前年比約16%増の4万台に引き上げる計画を明らかにした。ジャカルタ・ポスト(電子版)が15日に伝えた。
同氏によると、日野は今年の販売目標を達成するため、新たに20-30店舗を開設し国内の販売ネットワークを拡大するほか、トラックの新型モデルを投入する考えだ。最近の販売状況をみると、1-3月期の中型トラック「日野レンジャー」の販売台数が石炭価格の低下で炭鉱向け需要が落ち込んだため、前年比10%減の4660台と不振だった。ただ、小型トラック「デュトロ(Dutro)」は同6%増の3600台となっている。
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【インドネシア‐4月16日】コンクリート大手ウィカ・ベトン、年内のIPOで100億円を調達へ
インドネシア国営ゼネコンのウィジャヤ・カルヤ傘下のコンクリート製品大手ウィカ・ベトンは、新規株式公開(IPO)を当初予定の来年から今年に繰り上げ、IPOを通じた株式売り出しで1兆ルピア(約100億円)の資金調達を行う計画だ。ジャカルタ・グローブ(電子版)が13日に伝えた。
IPOの幹事社は証券大手マンディリ証券。同社の株式の78.4%はウィジャヤ・カルヤが保有している。また、同社は年内に4000億ルピア(約40億円)相当の社債を発行する計画で、調達資金は事業拡大に充当される。今年の業績予想は、売上高が2兆4000億ルピア(約240億円)、最終利益は2000億ルピア(約20億円)となっている。
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【ベトナム‐4月16日】政府、国営企業の非中核事業からの撤退、2015年までに完了困難に
ベトナム政府官房のドアン・フン・ビエン経済改革局次長は先週、国営企業の民営化の第1段階として位置づけられている、国営企業の非中核事業からの撤退と中核事業の集中化の作業を当初予定していた2015年までに完了することが困難になったとの見通しを明らかにした。地元金融情報サイト、ストックスプラス(電子版)が15日にタンニエン紙の報道に基づいて伝えた。
政府は2020年までに国営企業の民営化を完了させるため、その前段階として、2015年をメドに国営企業の非中核事業からの撤退を実現させる目標を掲げ、これまでに9分野の国営企業グループのうち、石油・ガスやゴム、化学、電力、石炭、鉱産物の6分野の国営企業グループと、国営企業10社のうち8社から、非中核事業の子会社整理を中心としたリストラ計画が提出されている。
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【ブラジル‐4月16日】中銀週報:4月会合時の政策金利見通し、7.25%で据え置き
ブラジル中央銀行が15日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した4月16-17日の金融政策決定会合時の政策金利(翌日物金利誘導目標)の見通しは、前週予想の7.25%のまま据え置かれた。据え置きは25週連続。しかし、5月の会合時の見通しは前週予想の7.5%から7.75%に初めて引き上げられている。
また、2013年末時点の政策金利の見通しは、前週予想の8.5%のまま据え置かれた。据え置きは3週連続。2014年末時点の政策金利も前週予想の8.5%のまま据え置かれた。据え置きは4週連続。
2013年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しについては、従来(前週)予想の前年比3%増のまま据え置かれた。1カ月前の見通し予想は3.03%増だった。2014年のGDP伸び率見通しも従来予想の前年比3. 5%増のまま据え置かれた。据え置きはこれで5週連続。1カ月前の見通し予想は3.5%増だった。
一方、IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2013年は前週予想の前年比5.7%上昇から5.68%上昇へ上方修正(改善)された。上方修正は2週連続。1カ月前の予想は5.73%上昇だった。しかし、2014年の見通しは前週予想の5.7%上昇のまま据え置かれた。1カ月前の予想は5.54%上昇だった。
為替レートの見通しについては、2013年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、従来予想の1ドル=2.00レアルに据え置かれた。据え置きは7週連続。2014年末時点の見通しも従来予想の2.05レアルに据え置かれた。据え置きは4週連続。 (了)