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犬や猫にも終活は大切!ペット終活で行ってほしい3つのこと

松永由美ペットケアアドバイザー|ペットロスカウンセラー

近年、遺された家族に負担をかけないように終活を行う人が増えていますよね。「終活」と聞くと「年齢を重ねた人が行うこと」と想像するかもしれませんが、犬や猫などのペットにも終活は大切です。この記事では、ペット終活で最低限行いことを3つご紹介します。

ペット終活はなぜ大切?

「終活」とは人生の終わりに向けた準備を行う活動のことです。人の場合は、財産分与・医療や介護についての意向確認・身の回りの整理などが一般的かと思います。

一方、ペット終活はペットの人生の終わりに向けて“飼い主が行う準備のこと”を言います。ペット終活は旅立つ愛犬や愛猫のためはもちろん、遺された家族のペットロスの重症化を防ぐためにもとても大切なことです。

筆者自身、数年前に愛犬が亡くなる前にペット終活を全く行っていなかったので、とても後悔しましたし、つらいペットロスも長引きました。毎日「あの子は私と家族にならなければ、もっと幸せになれたのに…」と泣いていたのです。

今現在ペットと暮らすみなさんには胸を張って「あなたと家族になれて幸せだったよ、ありがとう」と愛犬や愛猫を見送ってほしいと思っています。いつか旅立つ大切な家族のために自分には何ができるのか、ぜひ考えていただけたら幸いです。

ペット終活で行ってほしいこと1:ペット保険の見直し

保険制度が確立している人とは違い、動物病院は基本的には全額が飼い主負担となるため、場合によっては一度の診療費でも数万円と高額になってしまうケースも珍しくありません。

そんなペットの治療費の一部を負担する「ペット保険」は、近年さまざまな会社が行っていますが、補償内容はプランなどによっても全く違います。また、加入当時と現在のペットの状態が異なっている場合もあるので「ペット保険はもう入っているから大丈夫」と思っていても、いざという時に補償がおりない…なんて可能性もゼロではありません。

ペット終活を意識し始めたら、まず初めにペット保険の見直しを行うと安心です。

  • 最期まで補償を受け取ることができるのか
  • 保険金の受け取りや精算方法は簡単か
  • 愛犬や愛猫の“今の状態”に合った内容か

有名な保険だからといって、それがご自分の愛犬や愛猫に合ったものかどうかはわかりません。数社を比較して、ご自分やペットに合っているものを選ぶことが重要です。

ペット保険に加入していると、ほんの少しのペットの違和感でも動物病院に連れて行きやすくなります。犬や猫は体調が悪化するのも早いですから、お守り代わりとして入っておくと便利ですよ。

ペット終活で行ってほしいこと2:ペット火葬や供養方法のリサーチ

筆者はペットロスカウンセラーとして、ペットを亡くした飼い主さんとお話しする機会も多くあります。中でも「ペットの火葬のことで悔いが残っている」という飼い主さんも珍しくはありません。

というのも、愛するペットを亡くした際、飼い主さんはとても冷静ではいられません。周囲の人には冷静に見えたとしても、頭は大きく混乱し、悲しみや絶望に押しつぶされそうな中で必死に気力を保っているギリギリの状態なのです。

そんなつらくて苦しい中でも、飼い主さんには次から次へとさまざまな選択が迫られます。

  • エンゼルケアは自分で行うか、依頼するか
  • 火葬はどこに依頼するか
  • 個別火葬か合同火葬か
  • 個別火葬の場合遺骨は引き取るか、そのままペット霊園で供養してもらうか

愛犬や愛猫を亡くして数時間の間に、こんなにたくさんのことを考えて決めなくてはいけません。

しかし、ここで納得のいく選択ができないでいると、それが大きな後悔へとつながります。その結果、ペットロスを長引かせてしまったり、精神疾患に発展してしまったりするのです。

例えば、人とは違いペットには「合同火葬」と言って、他の家のペットと一緒に火葬してもらう方法があります。しかし、その場合ペットの遺骨は他の子の骨と混ざってしまうため手元には戻ってこないので、後から「やはり引き取りたい」と言っても叶いません。

遺された家族が安心して、そして納得して送り出せるよう、ペット火葬や供養の方法は前もってリサーチしておくことをオススメします。冷静な状態でペットや遺された家族にとって最善の火葬や供養の方法を考えましょう。

ペット終活で行ってほしいこと3:思い出をたくさん作る

ペットの終末期に限ったことではありませんが、愛犬や愛猫とたくさんの思い出を作ってください。命あるもの、必ずいつかはお別れの日が来ます。しかし、たとえペットが亡くなってしまっても、ペットがあなたと築いた大切な日々はずっと無くなることのない宝物なのです。

「思い出」と言っても何か特別なことをする必要はありません。旅行やお出かけもとても素敵な思い出ですが、例えばおうちで一緒にくつろぐだけでも、ペットにとっては大好きな飼い主さんとの大切な思い出になるのです。

愛犬や愛猫を亡くしてすぐは、きっとその思い出すら振り返ることがつらく感じてしまうかもしれません。でも、いつかきっとその思い出たちはご家族の大きな心の支えとなってくれるはずです。

旅立つペットたちも、その思い出のおかげできっと「いい人生だったな」と感じてくれると思いますよ。縁があって家族になれた大切な存在ですから、たくさん思い出を作ってくださいね。

※記事内容には個人の感想や見解を含みます。
※記事に含まれる内容は執筆当時の情報であり、現在と異なる場合がありますのでご了承ください。

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ペットケアアドバイザー|ペットロスカウンセラー

もとはトリマーでしたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーやペットセラピストなど、動物の健康や終末期に関連する資格を複数取得。現在は、ペット関連メディアへの記事や台本の提供・ペットロスカウンセリング・ペットショップでのお世話スタッフなど、動物に関する活動を多方面で行っています。【保有資格】愛玩動物飼養管理士2級・ペットセーバー・動物介護士・ペット終活アドバイザー・動物健康管理士など。

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