ミルキーな上生菓子はペアリングも自由自在!熱海の老舗「間瀬」さんの和洋折衷な新しいチャレンジ
古来より文化人から武人の嗜みとされてきた茶道。そしてお茶席で供される主菓子とよばれる和菓子もまた、時代の移り変わりとともに発展して参りました。
繊細な日本の四季を取り入れた練り切りなどの上生菓子は見た目の美しさだけではなく、お店によって口溶けや風味も異なり、それもまたお茶席を楽しむ大きな要素のひとつかと思います。
150年余りの歴史を持つ静岡県熱海市にお店を構える和菓子屋「間瀬」さんもまた、近隣のお茶席のみならず都内での評判も高いお店。しかし今回は、上生菓子に洋菓子の要素を盛り込んだフレッシュなお菓子を販売なさっておりました。
今回は間瀬さんの「紅衣」と「柚重」をご紹介。
今回は十二単をモチーフした上生菓子の二個セット。
「紅衣(くれない)」はまさに華麗な十二単を彷彿とさせるのではないでしょうか。生成りの外郎を厚めにし、しっかりとした一番上の唐衣を表現。他のローズピンク色の二色も、透けないというところが着物らしいですね。金箔は顔を隠す際にも使用された檜扇もあしらわれておりましたので、十二単とセットですね。
大河ドラマの「光る君へ」を思い出しました。
外郎部分がたっぷりなので、非常にもっちりと食べ応えもありますね。しかし、中に包まれている生クリームなどを合わせたクリーミーでリッチなミルク餡と、とろりとしたジュレのようなラズベリーピューレの酸味はまるでレアチーズケーキ!
普段上生菓子と関わる機会が少ないという方も手に取りやすいのではないでしょうか、個人的には少し冷やした方が好みです。
もうひとつ、「柚重(ゆうがさね)」は心穏やかになるような温かな色味が印象的ですね。ふんわりときめ細やかな浮島という蒸し菓子にサンドされているのは、クリームチーズと白餡を合わせた羊羹。そこに加えられた細かくカットされた柚子がまた、優雅な佇まいに爽やかさのエッセンスを少し。
酸味を思わせる香りですが、実際は浮島の米粉や卵、羊羹に含まれる乳製品のまろやかさが引き出されたお味。ここ最近は抹茶とチーズを合せたケーキやスイーツも定番化してきましたので、洋風ながら抹茶との相性も良さそうです。
珈琲や紅茶、お酒など、自由に和菓子を楽しむ時代になりましたね。国籍を問わず、日本の食文化に触れる機会が増えていくのは嬉しいことだとおもうのですが、いかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
※こちらは本店ではなく、銀座三越さんで開催されている催事「本和菓衆」にて購入致しました。
<銀座三越地下2階 GINZAステージ>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座4-6-16
03-3562-1111
10時~20時