主な新興国/米国経済ニュース(3日)
米JPモルガンのダイモン会長兼CEO、“治療可能な”咽頭がんと告白
米金融大手JPモルガン・チェース<JPM>のジェームズ・ダイモン会長兼CEO(最高経営責任者)が治療可能な咽頭がんを患っていることが米テレビ局CNBCの報道で明らかになった。
これはダイモンCEOが社内向けに病気の事実を伝えたもので、「医師の診断結果は良好で、がんは早期に発見されており、治療によって健康を回復することが可能だ」と述べている。ダイモンCEOのメモによると、がんは咽頭と右リンパ節に見つかっており、今後8週間の放射線治療と化学療法を受けるとしている。同CEOは2005年12月に就任し、2006年12月から会長職も兼務している。
この報道を受けて、同行の株価は1日、0.61%高の57.57ドルで引けたあと、時間外取引の午後7時20分時点で、0.82%安の57.1ドルと、下落した。
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米ツイッター、IPOで功績上げたグプタCFOが副社長に昇格へ
マイクロブログサイト大手の米ツイッター<TWTR>は1日に米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書で、マイク・グプタCFO(最高財務責任者)が戦略担当の上級副社長に昇格し、その後任として米証券大手ゴールドマン・サックス<GS>出身のアンソニー・ノト氏が就任することを明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが伝えた。
グプタ氏は昨年、4カ月間にわたってツイッターの新規株式公開を指揮し、21億ドル(約2130億円)の資金調達を成功させた功績で知られる。一方、ノト氏はゴールドマン・サックスで2010年10月から今年6月までハイテクやメディア、通信の各分野の投資銀行部門を担当する常務を務めていた。
これを受けて、ツイッターの株価は1日、2.64%高の42.05ドルと、急伸している。
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米ネットフリックス、ゴールドマン・サックスの投資判断引き上げで株価急騰
米オンラインDVDレンタル・映像ストリーミング大手ネットフリックス<NFLX>は1日、米証券大手ゴールドマン・サックス<GS>が株式投資判断を「中立」から「買い推奨」に引き上げたのを受けて、終値で7.38%高の473.1ドルと、急騰した。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが伝えた。
ゴールドマン・サックスのアナリスト、ヒース・テリー氏らは、投資判断の引き上げについて、「ネットフリックスは、視聴契約者数の伸びが予想以上に高いことから、運用成績がベンチマークを上回るアウトパフォーマンスを維持し続ける」と述べている。また、潜在的な視聴契約者数も新市場の開拓によって、今後、2倍超に拡大するとし、予想適正株価も380ドルから590ドルに引き上げた。
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米ウェドブッシュ証券、米アーバン・アウトフィッターズの投資判断引き下げ
米高級カジュアル衣料・生活雑貨小売り大手アーバン・アウトフィッターズ<URBN>は1日、米ウェドブッシュ証券が株式投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」へ引き下げたのを受けて、終値で1.3%安の33.42ドルと、下落した。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが伝えた。
同証券のアナリスト、モリー・ブラウン氏らは、「アーバン傘下のアンソロポロジー(カジュアル衣料・生活雑貨などを扱うセレクトショップ)の売り上げは現在、業界トップクラスにあるが、今後、徐々に減少していく可能性がある」と指摘している。また、ウェドブッシュは予想適正株価も46ドルから32.99ドルへ引き下げた。
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米H・パッカード、英ソフト会社買収に絡んだ3件の株主代表訴訟で和解
米コンピューター大手ヒューレット・パッカード<HPQ>は1日、英国のソフト会社オートノミーの買収に絡んだ3件の株主代表訴訟で和解が成立したことを明らかにした。米経済情報専門サイトのマーケットウォッチが伝えた。
3件の訴訟は、2011年に同社がオートノミーを買収した際、株主に損害を与えたとするもの。株主はヒューレットのメグ・ホイットマンCEO(最高経営責任者)と他の経営幹部がオートノミーの財務状況や製品に関し、買収後に問題が起こる兆候を十分に調査しなかったと主張している。
同CEOも2012年にオートノミーが意図的に決算書の数字を膨らませたため、110億ドル(約1兆1000億円)超ものお金をだまし取られたと主張したが、オートノミーの元CEOは不正会計の批判を否定している。
和解では一人の株主に“功労賞”として、2万5000ドル(約250万円)、また、法律事務所2社に計1800万ドル(約18億3000万円)の弁護士料が支払われる。ただ、他の株主訴訟や規制当局による調査は引き続き行われる。ヒューレットの株価は1日、1.48%高の34.18ドルで引けている。
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ポーランド中銀、政策金利を据え置き―一時的にデフレになると予想
ポーランド中銀は2日の金融政策委員会(RPP)で、主要政策金利の7日物レファレンス金利を現行の過去最低水準の2.5%を維持することを決めた。また、中銀は他のロンバート金利と預金金利、再割引金利もそれぞれ4%、1%、2.75%のまま据え置いた。
7日物レファレンス金利は2012年11月の会合で3年5カ月ぶりに利下げに転換して以降、昨年7月の会合まで8回連続して引き下げ、下げ幅も合計で2.25%ポイントに達したが、それを最後に政策金利は変えていない。
中銀は金融政策決定会合後に発表した声明文で、「今後、数カ月にわたって、インフレは引き続き低い伸びが続き、一時的にデフレになる可能性がある」としたものの、「今後、数四半期は、緩やかな景気回復と労働市場の改善に伴い、インフレの伸びが徐々に加速し、物価目標(2.5%上昇)に近づく。しかし、経済成長の伸びが一段と加速し、インフレ率が物価目標に戻るという見通しには不透明さが残る」とし、当面、慎重に経済やインフレの動向を見守る必要があることを指摘している。
今回の声明文では、前回6月会合時に使われた「2014年7-9月期末まで金利を据え置くべきとの判断を維持する」との文言が削除された。それに代わって、「今後数カ月の中銀の金融政策の決定は、中期的なマクロ経済とインフレの見通しの判断に影響を与える経済データによって左右されることになる」との文言が付け加えられた。
また、今回、新たに発表されたマクロ経済・インフレ見通し(6月13日時点)では、中銀の政策金利が変わらないという前提条件で、2014年のインフレ率は0.1-0.4%上昇と予想した。これは前回3月予想時点の0.8-1.4%上昇からは伸びが大幅に減速修正された。2015年は0.5-2.1%上昇(前回予想時は1-2.6%上昇)、2016年は1.3-3.1%上昇(同1.6-3.3%上昇)と予想している。一方、GDP(国内総生産)伸び率については、2014年は3.2-4.1%増(同2.9-4.5%増)、2015年は2.6-4.5%増(同2.7-4.8%増)、2016年は2.3-4.5%増(2.3-4.8%増)と予想、全体的に下方修正されている。
次回の金融政策決定会合は9月2-3日に開かれる予定。(了)