【KHL】プレーオフ開幕!チーム力はナンバーワン!でも「優勝候補本命」と呼べない「チェスカモスクワ」
昨年9月1日(現地時間)に開幕した「KHL(コンチネンタル ホッケーリーグ)」
7か国の27チームが62試合を戦ったレギュラーシーズンを終え、東西両カンファレンスの上位8チームが王座を目指すプレーオフが、昨夜(現地時間)から始まりました!
▼7回戦制×4つのラウンドで王者を決する!
まずプレーオフのフォーマットを紹介すると、レギュラーシーズンの順位に従って、
「1位vs8位」、「2位vs7位」、「3位vs6位」、「4位vs5位」
という顔合わせによるベストオブ・セブン(7回戦制4勝先勝方式)のカンファレンス クォーターファイナル(1stラウンド)を皮切りに、ファイナルまで4つのラウンドを戦って、今季の王者を決します。
(組み合わせと各シリーズの最新の勝敗表は KHLのオフィシャルサイトで、ご確認ください)
▼連覇を狙う王者は完封負け
注目が集るのは、ディフェンディング チャンピオンの AKバルス カザニ!
昨季はガガーリンカップ(=KHLの優勝トロフィー)を8季ぶりに手にして、リーグ最多となる3度目の優勝を果たしたとあって、連覇の期待が高まっているからです。
ところが、連覇を狙う王者の前に、アバンガルド オムスクが立ちはだかりました。
第1戦の序盤から主導権を握ったオムスクは、スコアリングチャンスを確実に活かして6得点。
勝敗が決した終盤には、北米挑戦は成功しなかったものの、高いスキルを持つ セルゲイ・シュマコフ(FW・26歳)の個人技も飛び出すほど、試合を支配したオムスクが圧勝!
今季のオムスクは、開幕前にホームアリーナが使えない! という騒動が発生。
しかしながら、確実にポイント(勝点)を積み重ねて4位でプレーオフに進出。
チームを率いるボブ・ハートリーヘッドコーチ(HC・58歳)は、コロラド アバランチを率いてNHLで優勝した経歴を持つだけに、5季前のマイク・キーナン(元メタルーグ マグニトゴルスクHC)に続く、「NHLとKHLで優勝したHC」の称号を手に入れることができるでしょうか?
▼注目チームは?
カザニやオムスクにも増して注目が集まるチームは、何と言ってもチェスカ モスクワ!
なぜなら、今季のレギュラーシーズンは、昨季より6試合増えて「62試合」の長丁場となりましたが、安定した戦いに終始して、2季ぶり4度目のコンチネンタルカップ(=レギュラーシーズン最高成績)を手にしたからです。
チームの生命線は堅実な守りで、1試合あたりの平均失点は、わずか「1.2点」
イリヤ・ソロキン(23歳)、ラルス・ヨハンソン(31歳)のW守護神を中心に、プレーヤーの守りの意識も高く、シーズンを通して安定した戦いぶりを披露しました。
▼攻撃の核は?
対して、攻撃の核を担うのは、キリル・カプリゾフ(21歳・FW)。
「ピョンチャン(平昌)オリンピック」の金メダリストは、チームの攻撃の核を担って、今季は30ゴール21アシストをマーク(57試合出場)。
自身にとって初めての、そしてKHLでは二人目となるロシア人選手の得点王に輝きました。
▼NHLからのラブコールも
カプリゾフは、2015年の「NHLドラフト」で、ミネソタ ワイルドが5巡目(全体135番目)で指名。
ミネソタはキャプテンのミッコ・コイブが、ケガにより今季中の復帰が絶望視されているだけに、今季の試合を戦い終えたあと、カプリゾフとの契約を結びたい模様。
ところが、元王子製紙(現イーグルス)のコーチで、チェスカの代表を務めるイーゴリ・エスマントビッチ氏は、来季まで残っているチェスカとの契約が終わるまでは、カプリゾフを手放すつもりはないと、現地メディアが報じているそうです。
▼カプリゾフがいるうちに
チェスカとすれば、カプリゾフがチームにいるうちに、何としてもガガーリンカップを手にしたいところ。
なぜなら、ここ4季の間に、レギュラーシーズン最高成績チームに与えられるコンチネンタルカップを3度も獲得し、「チーム力はナンバーワン」だと、誰もが認めながら、一度としてプレーオフを勝ち上がれず、王座を手にしていないために「優勝候補本命」と呼べないからです。
前述したとおり、堅実な守りは他チームの追随を許さないだけに、KHL最高年俸選手と報じられたセルゲイ・モジヤキン(37歳・メタルーグ マグニトゴルスクFW)が、図抜けた得点力を発揮して、ガガーリンカップを2回もたらせたように、カプリゾフの攻撃力を最大の武器にして、悲願達成を果たしたいに違いないはずです。