東北や北陸は大雨警戒、新たに発生する熱帯低気圧の進路は?
積乱雲群が東北や北陸へ
タイトル画像をみると、沖縄から北上した積乱雲群(非常に湿った空気)が一番北側の赤い丸の中、朝鮮半島付近へ到達しています。この積乱雲群が今後梅雨前線に沿うように日本海を東寄りに進み、あす19日(水)には東北や北陸付近に流れ込む予想です。
今のところ、新潟県付近で最も雨脚が強まる予想ですが、活発な雨雲が北寄りを進めば秋田県付近、また南寄りを進めば石川県付近で最も激しく降るおそれがあり、あす19日(水)にかけて、最新の大雨情報に十分な注意が必要です。
先週末に記録的な大雨に見舞われた秋田県では引き続き、土壌雨量指数(土の中の水分量)が高く、特に山や土手などでは多量の水分を含んで脆弱になっている所があるかもしれません。大雨にならなくとも、少ない雨で災害が発生するおそれがあるため、警戒してください。(気象庁発表の大雨情報)
間もなく熱帯低気圧が発生へ
一方、南に目を向けると、フィリピンの東海上に引き続き、低圧部が発生しています。低圧部とは雲の循環は認められるものの、その中心付近がはっきりとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近がはっきり分かるようになると、熱帯低気圧に名前が変わります。熱帯低気圧からは台風が発生することが多くあるため、低圧部はいわば台風のもとになるような存在です。
気象庁の予想では、この低圧部は今夜18日(火)午後9時までに熱帯低気圧に変わり、あす19日(水)にかけてゆっくりと北上する見込みです。(予想天気図中のTDマーク)
太平洋高気圧がブロックする予想
まだ気象庁からは公式的な情報はありませんが、諸外国を含む多くの計算では、新たに発生する熱帯低気圧は、海水温が30度以上あるフィリピンの東海上で発達し、台風とみられる勢力に強まる予想となっています。
ただ今週末から来週はじめにかけて、日本の南から沖縄付近では太平洋高気圧の勢力の強い状態が続くため、台風とみられる熱帯擾乱は日本付近へは北上できずに、フィリピンの北部付近から南シナ海を指向する計算が主流派となっています。
フィリピン北部から南シナ海へ?
上図は多くのモデルが計算しているような熱帯擾乱の予想で、来週はじめにフィリピンの北部付近を西進する予想です。このコースならば、沖縄に直接の影響は少ないとみられますが、熱帯擾乱の発達如何では海上を中心に、影響を受ける可能性はあります。
北寄りを進むモデルでは沖縄に大きな影響も
一方、参考までに、上図はアンサンブル予報の中でも、熱帯擾乱が最も北寄りに進む計算です。来週週明けのタイミングで台湾付近を指向するため、このような状況となれば、八重山地方を中心に、沖縄では大きな影響を受けるでしょう。
今のところ、台湾付近を指向する計算は全体の2割程度と少数派ですが、なかには沖縄付近をまっすぐに北上させるような計算も散見されるため、最新情報にご注意ください。