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サンウルブズ沢木敬介コーチングコーディネーター、コロナ影響へも「柔軟」に?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
(写真はサントリー時代)(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 国際リーグのスーパーラグビーに日本から挑むサンウルブズは3月6日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のWINスタジアムでブランビーズとの第6節に挑む。

 コロナウイルス感染拡大防止のため、8日に大阪・花園ラグビー場で開催予定だった試合の会場と日時が変更になった結果だ。

 ここまで1勝3敗のチームにあって、沢木敬介コーチングコーディネーターが意気込みを語った。

 沢木は2015年のワールドカップイングランド大会でも世界的名将のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(当時)の下で同職を務めている。2016年度から3シーズン、サントリーの監督を務め、就任初年度から2連覇。特に最初の優勝を果たす前のシーズン、チームは9位と低迷していた。

 国内屈指の指導力と強烈なキャラクターで知られる指導者が、今回の会場変更への私見や現在のチーム状況、国際舞台で自身が得ている学びについて語った。3月5日、シドニー郊外で試合前日練習をおこなった後のことだ。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――会場変更について。

「それはしょうがない。こういうタフな経験ができるのもスーパーラグビー。トップリーグが延期になっているなか僕らは試合ができる。ポジティブに考えて、難しいチャレンジを楽しみながらやっていきたいと思います」

――おそらく、コーチ陣のスケジューリングや業務のオペレーションにも変化があったのではないでしょうか。

「柔軟に対応していかなきゃいけない。予定通りにいかないのが今年のサンウルブズの環境だと思うので、環境に言い訳をしないで…。もちろんホームでやりたいという気持ちは皆、持っていますけども、そのなかでもしっかりとベストを出せるような準備をさせていきますから」

――前回のハリケーンズ戦は15―62と大敗。これをどう反省し、今度のブランビーズ戦に向けてはどんな準備をしていますか。

「ハリケーンズ戦では我々の思うようなラグビーは全然できなかった。いまの自分たちの力だと、何試合かあるうち、ああいう試合は必ずあるんで。そこをしっかり学んでいきたいです」

――具体的に、何がしたいですか。

「ここ2試合はアタックが全然、できていない。トライを簡単に取られるのではなく、しっかりアタックをする。ディフェンスでも身体を張る。そういうところだと思います」

――それをしやすくするために、ずっとウイングだったシオサイア・フィフィタ選手を本職のアウトサイドセンターに入れている、というイメージですか。

「色んな組み合わせを試しながらやっていきたいので。はい。チームの力を引き出すのにはどういう組み合わせがいいか。ここも楽しみながらやっていきたいです」

――スーパーラグビーでの挑戦を通し、沢木さんが得ているものは。

「ここ何試合かはセットピースも難しいし、自分たちが準備してきたことができない状況でも、どういう風にしてプレーしていくか。そこでも色んな引き出しを持ってなきゃいけない。そういうところは勉強になっています。はい」

 ち密なゲームプランやサインプレーの考案などが際立つ沢木だが、スーパーラグビーにおけるサンウルブズを指導するなかでは、用意したプレーを遂行しきれずに終わる試合があると再確認したか。

 本番に備える力と、本番で対応する力。その両方を鍛えたいと感じているようだ。

 この日は主力組が引き上げた後、控え組のトレーニングでも声を枯らした。 

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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