ジャニーズ事務所・性加害問題:3月から現在まで松谷創一郎はどう読み解いていたか #専門家のまとめ
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏による性加害問題が再燃して半年以上が経過した。発端は、3月に放送されたイギリスの公共放送・BBCのドキュメンタリー『J-POPの捕食者──秘められたスキャンダル』だったが、筆者は日本放送の2週間後から記事を執筆してきた。
そこで努めてきたのは早い段階で論点を整理し、この問題の進む先を読者にも他メディアにも提示することであった。そして、おそらくそれは上手くいった。
今回は、筆者が携わった記事・番組についてまとめる。ジャニーズ事務所が加害行為の事実を認めて謝罪し、補償に向けて動いている現在、このまとめ記事はこれまでのプロセスの復習として機能することになるだろう(Yahoo!ニュース・エキスパートで新しく始まったこのまとめ記事の規定では2~4本とされているので、以下4つの記事・動画を紹介する)。
▼民放が官邸よりも怖れているのはジャニーズ事務所。メディアは「アメとムチ」で巧みにコントロールされて「沈黙」してきた
▼テレビ報道が抑制的なのはジャニーズと共犯関係だから。特にテレビ朝日とフジテレビは逃げないでちゃんと扱っていただきたい
▼芸能プロとメディアの関係を変えないかぎり、根本的な問題解決にはならない。他の会社が同じことを繰り返すリスクは続く
▼テレビ朝日などテレビ局は性加害において最大の共犯者。人間としての矜持があるならちゃんと逃げずに向き合っていただきたい
この問題において文化とメディアを専門とする筆者の役割は、その背景となるジャニーズ事務所とメディアとの関係を追及することだと自覚している。それに絞って4本を提示した。
ジャニーズ事務所が性加害の事実を認め、やっとテレビ局も自己検証の姿勢を見せつつある。NHKは『クローズアップ現代』で2004年前後に限った検証番組を放送し、日本テレビも検証に入ったと昨日会見した。
そのなかでやはり注目は、いまだに報道に抑制的なテレビ朝日だ。そんなテレ朝は、本日9月26日に定例会見を行う予定だ。今回は篠塚浩社長だけでなく、報道を強く引き締めていると見られる早河洋会長も出席予定だ。
テレ朝の姿勢には強い注視が必要だ。