行方不明の犬と飼い主が奇跡の再会! 米国でそれを可能にしたマイクロチップとは?
犬や猫を飼っている人は「マイクロチップ」という言葉は知っているはずです。しかし、実際に、日本での犬や猫のマイクロチップの普及率は、半分にもなっていません。そんな中、アメリカでは、90キロ離れた元自宅で、マイクロチップなどのおかげで愛犬が発見されるニュースがありました。このニュースから、マイクロチップについて考えてみませんか。
この記事は、日本ではなく、アメリカでの出来事です。よりSNSが盛んなので、日本でも同じようなことが起こるというわけではありません。その一方、マイクロチップを埋め込んでいたので、クレオちゃんが、飼い主の下に戻ることができました。日本でもマイクロチップはありますし、動物病院で、埋め込んでくれます。ではマイクロチップとは、どんなものか?を一緒に考えましょう。
マイクロチップとは?
・大きさは、直径2mm、長さ12mm程度
・円筒形の電子標識器具
・飼い主の情報を照合できる15桁の番号が記録されており、動物保護センターや保健所、動物病院などで、専用の読み取り機でデータを読み取ることができます。
・マイクロチップの15桁の番号を読み取り、問い合わせると、飼い主の名前、住所、電話番号を調べることができます。
・世界で唯一の番号が記録されています。海外に犬や猫を連れていくときには、必要になります。
マイクロチップはどんな時に、役に立つか?
迷子や事故、自然災害時など、飼い主のところから離れてしまったペットが保護された際にペットの身元が確認できます。
飼い主なら、自分の愛犬や愛猫ならわかると思うかもしれません。しかし、悲しい現実ですが、飼い主の下から放浪していると、食べ物を満足にもらえなかったりして、顔や毛などがすっかり変わってしまうこともあります。そんなときもマイクロチップを装着しておくと、読み取り専用装置で、すぐにわかります。迷子札や首輪は、災害など逃げるときにはずれてしまう可能性がありますが、マイクロチップは一度装着すれば、皮下なので大丈夫です。
動物愛護法におけるマイクロチップ
改正動物愛護法が成立し、販売用の犬・猫へのマイクロチップ装着が義務化、一般の飼い主には努力義務となっています。一方、イギリス(イヌに2016年4月6日以降)などでは、法的に義務付けられています。
マイクロチップの装着の仕方
・獣医師によって、犬や猫の首の後ろで肩甲骨辺りに、皮下に埋め込みます。
・通常より少し太めの専用の注射器のようなもので埋め込みます。
・費用は数千円~1万円程度です。
・マイクロチップは生体適合ガラスやポリマーで覆われているため、副作用はほとんどないです。何か疑問点がありましたら、かかりつけの獣医師にお尋ねくださいね。
マイクロチップの問題点
・通常の注射より大きいので、少し痛みがある場合もあります(筆者の動物病院では、避妊・去勢手術のときの麻酔下のときに推奨しています)。
・MRI検査の画像診断のときに、金属素材が使われているチップの周辺は画像がゆがんでしまうということもあります。
まとめ
災害が多い日本で、もし、愛犬や愛猫がいなくなっても、マイクロチップがあり登録をしておくと、探してもらえます。万が一に備え、すぐにでも入れたい、となった場合は、かかりつけの動物病院に相談してくださいね。つい先日発表された第163回直木賞受賞作『少年と犬』(馳星周氏著)では、マイクロチップの話が出てきます。あまり詳しく書くとこの小説を読む楽しみが薄れるので、詳細は省きます。筆者は、もうじき18歳になる愛犬にマイクロチップを埋め込んでいますが、今のところ何もトラブルはありません。
参考サイト