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SNS総フォロワー数1000万人の“はやたく”こと林拓磨の原点と思考法

中西正男芸能記者
SNSで圧倒的な知名度を誇る林拓磨さん

 「TikTok」のフォロワー数ランキングで男性部門日本1位となり、昨年4月から始めたYouTubeチャンネルが約10カ月でフォロワー数147万人となった林拓磨さん(22)。“はやたく”の愛称で中高生に圧倒的知名度を誇る一方、インドネシアなど海外でも注目されています。SNSの総フォロワー数が約1000万という状況を3年ほどで作り上げましたが、そこに至る原風景と注目を集める思考法とは。

原点

 YouTubeは去年4月から始めたので、今で約10カ月です。最初はなかなか「面白い」と言ってもらえなかったんですけど、去年の秋ごろから徐々に流れが変わってきて、ありがたいことに少しずつ楽しんでくださる方が増えてきました。

 もともと僕が皆さんに知ってもらう大きなきっかけになったのがTikTokで、今も自分の軸はTikTokだと思っています。TikTokの他にもいろいろとやっていて、今はYouTubeも力を入れてやっているんですけど、それぞれに違いがあるなと感じています。

 TikTokは見てくださっている方の喜怒哀楽をどれだけ奮い立たせられるかがポイント。YouTubeは何かの情報を得たり、目的をもって見てくださる方が多い。それぞれの特性を見極めた上で、動画を作っているつもりなんです。

 今のペースで言うと、毎日6本くらいは動画をあらゆるツールでアップしています。僕は時間をかけて一つの動画を作り上げるというよりも、数をたくさん出していく方が向いているとも感じていて、毎日ノンストップで続けているという感じです。

 その原点というのは幼稚園の頃だと思います。人形とかおもちゃで遊ぶのが大好きで、幼稚園で紙芝居みたいな感じで自分で考えた物語をクラスメートに見せていたんです。それが僕の人生最大のモテ期だったんじゃないかと思うくらい(笑)、友だちに大好評だったんです。続きが見たいと言って泣いちゃう女の子もいるくらい。

 自分で考えて何かを作って見せる。今やっていることと基本的には同じことを当時からやっていたんだなと改めて思いますね。

 ただ、今やっている動画の世界は“結果”がこれでもかと出ます。自分が「これは面白い」と思って出したものでも、数字が伸びないこともあります。逆に、思ってもみないほど数字が良いものもある。

 数字だけが正解じゃないのかもしれませんけど、実際に一つの答えが毎回明確に出るので、そこと向き合いながら数字が出るものを精査して、そこの何が楽しんでもらえているのか。もっとそこを伸ばす方法はないのか。

 もともとは自分が考えて作っているものなんですけど、毎日視聴者の方に尋ねながら、良い方向に連れて行ってもらっている感じだと思っています。

 今見てくださっている方の割合で言うと、日本が3割、海外が7割くらいなんです。海外はインド、インドネシアの方が多くて、日本とは文化も違う国の方々が何を面白いと思われるのか。それも自分の動画を通じて、逆に教えてもらうことにもなっています。楽しいし、本当にありがたいことだなと思いますね。

恩人への思い

 皆さんに楽しんでもらうことが大前提なんですけど、自分の心の中に常にあるのは「人がやっていないことをやろう」という思いです。

 僕が動画を作る時に考えるのが“競争率”なんです。TikTokだと美容系、ペット系、ファッション系はアップされる動画が多いんですけど、意外と車系は少ないとか。決して、皆さんが興味がないジャンルじゃないんだけど、今はそこにあまり“店”が出ていないエリアがあるんです。それを見つけて“店”をオープンさせる。その感覚は根本にありますね。

 あとは、どうやって最後まで動画を見てもらうか。そこも細かくこだわっています。見てくださる方にスクロールさせず手を止めてもらう。そのためには最初の1~3秒が大切ですし、そこの関門を過ぎても次は4~6秒の「やっぱり、いいか…」という判断の関門もある。

 そうやっていくつかの関門を潜り抜けるような動画を作って、最後にはオチというか「あ、そういうことね」という満足感を持ってもらう。そんな動画を毎日作り続ける。それをひたすらやっている感覚です。

 まだまだ止まれないというか、自分の背中を押し続けてもらっているのが「アルコ&ピース」さんなんです。

 僕が高校1年の時に初めて出たオーディション番組でお会いして、その時につけてくださったのが“はやたく”という愛称だったんです。せっかくお二人からつけてもらった名前に恥じない活動をしていかないといけない。いつかまたお会いして「頑張ってるな」と言っていただきたい。

 そう思ってやってきましたし、最初に会った3年後に日本テレビの「24時間テレビ」で再会することができました。その時に、お二人から「頑張ってるな。SNSの伸び方とか、はやたく、すげぇな」と言っていただけたんです。

 もちろんそんな言葉をいただけたこと自体がありがたいですし、毎日続けてきたことがきちんと積み重ねになっていたことも感じることができました。

 …まじめに話し過ぎてますかね(笑)。でも、本当に感謝しかありませんし、これからも積み重ねを続けていければと思っています。

(撮影・中西正男)

■林拓磨(はやし・たくま)

2000年4月3日生まれ。愛知県出身。身長179センチ。ワタナベエンターテインメント所属。短編動画作成共有アプリ「TikTok」で男性部門日本1位のフォロワー数となり、昨年4月からYouTubeチャンネルを開設。約10カ月で登録者数147万人。CBCテレビ「花咲かタイムズ」などに出演中。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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