諸外国の侵犯行為の連鎖が続くシリア:トルコ戦闘機が爆撃、米軍基地にロケット弾攻撃、イスラエル軍が侵入
諸外国の侵犯行為の連鎖が続くシリアでは、9月17日に、イスラエル軍戦闘機、トルコ軍無人航空機(ドローン)、そしてロシア軍戦闘機が、それぞれダマスカス国際空港一帯、ラッカ県、イドリブ県を爆撃した。
ロシア軍の発表
これらの爆撃のうちイドリブ県の爆撃に関して、ラタキア県フマイミーム航空基地に設置されているロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は、シャイフ・ユースフ村周辺のヌスラ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)の基地1ヵ所に対して爆撃を実施し、テロリスト45人を殺害し、武器弾薬庫多数を破壊したと発表した。
殺害したテロリストのなかには、ビラール・サイード、アブー・ダジャーナ・ダイリーという2人の野戦司令官も含まれているという。
ヌスラ戦線は、国連安保理、米国、トルコなどがテロ組織にしており、シリアのアル=カーイダと目されている。シャーム・ファトフ戦線への改称を経て、現在はシャーム解放機構を名乗っている。
続く爆撃
爆撃は9月18日にも続いた。
トルコ軍は同日、有人の戦闘機でアレッポ県北部のアイン・アラブ(コバネ)市近郊のカラ・ムーグ村を爆撃した。
シリア軍、ロシア軍とともに同地に展開するシリア民主軍(クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)の民兵である人民防衛隊(YPG)を主体とする武装組織)傘下のコバネ軍事評議会によると、この爆撃でシリア軍兵士2人が死亡した。
一方、英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、死者は3人にのぼった。
米軍も標的に
PYDが主導する北・東シリア自治局の支配地域各所に基地を違法に設置し、駐留する米軍も狙われた。
レバノンのマヤーディーン・チャンネルは9月18日、ダイル・ザウル県にあるシリア最大の油田ウマル油田に設置されている米軍基地(グリーン・ヴィレッジ基地)一帯で複数回の爆発音が聞こえたと伝えた。
報道を受けて、米中央軍(CENTCOM)は声明(20220918-02)を出し、以下の通り発表した。
ロケット弾を発射したのが誰かは不明だが、イスラエルのシリア領内に対して爆撃に対して、「イランの民兵」が米軍基地に対して報復を行うのが慣例となっている。
…そして、イスラエル
9月19日には、イスラエルが再び侵犯行為に及んだ。
シリア人権監視団によると、イスラエル軍が占領下のゴラン高原から有刺鉄線を破壊して、ダルアー県西部のワーディー・ラカード一帯に侵入し、同地で薪集めをしていた住民4人に向けて発砲し、クーヤー村の住民1人を負傷させたうえで、拉致し、イスラエル領内に連れ去った。
同監視団が得た情報によると、イスラエル軍は、レバノンのヒズブッラーが活発に活動するこの地域に爆発物を敷設する作業を行っているなかで、住民らに向けて発砲したというが、拉致された1人の素性は不明である。