緊急時に役立つロープの結び方[もやい結び]を覚えよう キャンプでも知っておいて損はないロープワーク
もやい結びのミニ知識
もやい結びのもやいは漢字で「舫い」と書きます。
「舫い」は船を繋ぎ止めると言う意味です。
もやい結びはロープの端に輪を作るための結び方で、古くは帆船の時代から船乗りたちが使っていた信頼性の高い結び方です。
もやい結びは強い力で引かれても結び目がズレたり緩んだりせず、それでいて、簡単に解く事が出来る為、現在でも主に小型船舶やボートを岸に繋ぎ止めるロープの結びとして使われている他に、人や物を吊り上げたり下げたりする時など、大きな力が掛かってもロープに作った輪の大きさが変化して欲しくない場合に多用される結び方です。
もやい結びの特徴
強い力が掛かっても緩んだりズレたりしない。
それでいて簡単に解くことが出来る。
この2つの一見相反する特徴は実はロープを結ぶ時にはとても重要な事なのです。
例えば、人命救助などで人を吊り上げている時に簡単に解けたりズレたりしたら非常に危険です。
しかし、使い終えた時に結び目が固く締まって解けないのも困りものです。
もやい結びはこの「簡単に解けたりズレたりせず」使い終えたら「簡単に解ける」の両方を実現する結び方なのです。
他の結び方と比べてみる
それでは、もやい結び以外の結び方だとどうなるか見てみましょう。
まずは下の写真のような結び方です。
このような結び方は日常的に良く使いますよね。
この結び方で結び目に力が掛かるとどうなるか?
結び目の形は上の写真の左から右へと変化していきます。
一番右側の状態を良く見ると分かりますが、この状態では結び目はロープ上を自由に動いてしまいます。
結び目が動くということは、上の写真のように胴体が締まるという事になります。
それでは、下の写真のような、やはり日常的によく使う結び方ではどうでしょうか?
この結び方だと強い力が加わっても結び目がズレることはありません。
しかし、この結び方の欠点は、結び目に強い力が加わり固く締まると解くのが困難になります。
その点、もやい結びは強い力が加わっても緩まずズレない。
それでいてロープの張りを緩めれば簡単に解ける。
もやい結びの結び方
まずは解りやすいようにロープを地面に置いた状態で説明します。
上の写真のようにロープに輪を作ります。
作った輪の中にロープの末端を通すのですが、この時の通し方には注意が必要です。
ロープに作った輪の重なり方にもよりますが、上の写真のような輪の重なり方の場合には、末端を輪に通す時は左上から右下に向かって通します。
ロープの末端がもう一度輪の中を戻るように通すのですが、この時も通し方に注意します。
最初に通した時と同じ通し方で戻るように通します。
上の写真なら、最初は左上から右下に向かって通しましたので、戻る時は右下から左上に向かって通します。
上の写真を参考にもやい結びを結んだ時の各ロープの重なりをシッカリ把握して下さい。
この状態で結び目を締めていけば、下の写真のようにもやい結びの出来上がりです。
もやい結びの結び目をそばで見るとこんなです。
もう少し実践的なもやい結びの結び方
実際の状況では、例えばロープを握ってぶら下がっている状況から結ばなければならない事も有るかも知れません(そのような状況にならない方が良いのですがw)
このような状況では手を離したら落ちてしまいますので、片手は絶対にロープから離さずに、もう片方の手でロープの端末側を胴体に回します。
ここでロープを保持してぶら下がっている方の手を胴体側に引き寄せて、胴体に回したロープ端を、引き寄せて緩んだロープの部分に、ロープ端を持った手ごと1回転巻き付けます。
ロープ端を持った手首を1回転巻き付けたら、ロープ端を、ぶら下がっている方のロープの下をくぐらせます。
その後、1回転巻き付けたロープの輪からロープ端を持ったまま手を引き抜けばもやい結びの出来上がりです。
アウトドア・レジャーは安全第一です。
こんな自体が現実にならないように危険な場所には近づかない、危険な事は行わないのが一番ですw
もやい結びは荷物を上げ下げする時とか、ボートを繋ぎ止める時などに使える有用性の高い結び方です。
アウトドア・レジャーを愛好する方なら知っておいて絶対に損はない結び方だと思います。
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