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「これ言っちゃっていいのかな…」LINEニュースのMAUは500万と舛田淳上級執行役員が明かす

藤代裕之ジャーナリスト
LINEについて語る舛田淳上級執行役員CSMO(右)IVS 2014 FALL

LINEの舛田淳執行役員がLINEニュースのMAU(マンスリー・アクティブユーザー)が、アプリとLINE内の閲覧を合わせて500万であるとベンチャー企業の経営者らが集まるイベント「Infinity Venture Summit(IVS)2014 FALL」で明かした。スマートフォン向けニュースサービスは、スマートニュース、グノシー、ニューズピックスなどが激しく競い合っている。MAUについては、スマートニュースが事業説明会で400万人と公表したばかり。

ニールセンが、ニュース・キュレーションアプリの利用者数TOP5比較で1位がスマートニュースであることを公表すると、ヤフーニュースが「Yahoo! JAPANアプリとニュースアプリを合算すると1位だ」という公式ブログを更新している。舛田淳執行役員は「1000万ぐらいからプラットフォームになる。LINEニュースのチームにはまだまだ足りないと言っている。ヤフーは凄い、目指せヤフー」と語った。

プラットフォームは「ヒト・モノ・カネ」

舛田淳執行役員は「グローバル・モバイルプラットフォームの今後」に登壇。LINEというプラットフォームの本質とのタイトルでプレゼンし、IVPの田中章雄共同パートナーと議論した。以下はセッションでのやりとり(敬称略)。

舛田:プラットフォームって何ですか?

田中:お金を巻きとられているような…

舛田:LINEでは、人がいること、拡張性、ビジネスモデルやマネタイズモデルがきちんとしているかの3点を大事にしている。ユーザーがいるがビジネスになりませんではプラットフォームとしてダメ。

舛田:検索の時代はトラフィックを流した。フェイスブックはユーザーがシェアということで情報を拡散した。いまは何か。ラインというプラットフォームの本質は、プラットフォームオン、プラットフォームオン、プラットフォームです。アプリからアプリへの動線、機能提供を行なう。

ゼロはコミュニケーションだった、次は、LINE+デジタルコンテンツ。世界でトップクラスのゲームを生み出すことができた。漫画、占い、アバター、ニュースであるとか、ブログもやっている。

舛田執行役員のプレゼン。UGCプラットフォーム
舛田執行役員のプレゼン。UGCプラットフォーム

アプリだけで考えていない

舛田:(ニールセンの調査に)どこがナンバーワンニュースなのか、ヤフーがすかさず反応していたが、ヤフーとか我々は、アプリだけで考えているわけでなくて、ブラウザもアプリも含めて考えていた。LINEでいうと、アプリでもみてもらっているが、LINEの中で見ていただいている(LINEのアカウントをフォローするとニュースが通知される)。

これ言っちゃっていいのかな、まあいいや。MAUは500万。1000万ぐらいならプラットフォーム、LINEニュースのチームにはまだまだ足りないと言っている。LINEニュースはマスっぽいアプローチのアプリ、ヤフーと同じルートに入ってくる。

田中:競合はヤフーに…

舛田:ヤフーは凄い、目指せヤフー、まだみんなヤフーを見ている。そういったところにどうやってチャレンジしていくか。

プロコンテンツからユーザーコンテンツへ

舛田:LINEはかたくなにプロコンテツから始めたのですが、もともとユーザーコンテンツ大好きなので。UGCのCはコンシューマーというより、クリエイター。プロコンテンツでロールモデルをつくって、ビジネスとしてまわることを知ってい頂いて、クリエイターに入ってもらうという生態系をつくる。(LINEクリエイターズスタンプアワード2014を受賞した)イカは自転車を買いたいと小学生の女の子が作った。エレキテル連合は今年の人。タレントの表現の場にもなっている。

LINEのクリエイターズスタンプの販売総額など
LINEのクリエイターズスタンプの販売総額など

舛田:クリエイターズマーケットの6ヶ月間で、販売総額が35.9億円、クリエイターは27万人登録、国籍は145カ国からご参加いただいている。参加者の多さに、ハロウィンのスタンプをつくったのに、ハロウィンが終わって出てくることが起きてしまった。

田中:上位10位が3.000万円… 下手なベンチャーより多い

舛田:億円が出てくる。社内でもアプリをつくったほうがいいのか、スタンプをつくったほうがいいのか、どっちか悩ましいという話が出ている(笑)

田中:社員は週末につくっているかも

舛田:スタンプに関わっているメンバーはつくれない規定になっているが、そうじゃないメンバーは作っているかもしれない。プラットフォーマーとして嬉しいのは、夢を叶える人たちがいること。インドだけ、ロシアだけのスタンプ、国を超えてヒットを出していくというのが生まれてくればいい。

ジャーナリスト

徳島新聞社で記者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントで新サービス立ち上げや研究開発支援担当を経て、法政大学社会学部メディア社会学科。同大学院社会学研究科長。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)代表運営委員。ソーシャルメディアによって変化する、メディアやジャーナリズムを取材、研究しています。著書に『フェイクニュースの生態系』『ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか』など。

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