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【NHL】20歳のMVPが年俸15億円の超大型契約! その一方で45歳の元MVPは就活中 !!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
今季のハートトロフィー(レギュラーシーズンMVP)に輝いたコナー・マクデイビッド(写真:Shutterstock/アフロ)

NHLをはじめ世界のアイスホッケー界は、今日(7月1日)から新年度がスタート。

NHLではFA権を有する選手と、所属チーム以外との契約が今日(北米東部時間正午)から解禁されますが、その前に大型契約を結ぶ見込みの20歳の選手と、新たな契約を待ち望む45歳の選手がいます。

▼20歳のMVPが超大型契約!

ここ数日、話題の中心となっているのは、エドモントン オイラーズのコナー・マクデイビッド(FW・20歳)

ドラフト全体1位指名を受けたルーキーシーズンこそ、ケガに泣かされてしまったものの、史上最年少のキャプテンに就任した昨季(2016-17シーズン)は、期待どおりの働きを披露。

82試合にフル出場して100ポイント(30ゴール70アシスト)をマーク。アートロス トロフィー(最多ポイント賞)を獲得したのに加え、11季ぶりのプレーオフに導いた原動力と評価され、ハート トロフィー(レギュラーシーズンMVP)に輝きました。

▼NHL最高年俸選手に!

NHLでは21歳以下の選手がチームと契約を結ぶ場合は、3季目までの間「エントリーレベル」と呼ばれる期間があります。平たい言葉に置き換えると「お試し期間」で、これはチーム側が大きなリスクを背負わないようにするのが目的です。

そのためマクデイビッドも、3季目となる今季(2017-18)までの年俸は、「92万5000USドル(およそ1億360万円)=サラリーキャップヒット額

しかし、エントリーレベルを終えたあとの契約延長によって、どの程度の年俸にアップするのか? 

多くのファンの間で話題となっていましたが、カナダのメディアが報じているところによると、エドモントンは契約が満了する来年のオフを待たず、「年俸1325万USドル(およそ14億9000万円)の8年契約」を提示する模様。

現在所属しているチームと結ぶことのできる最長の8年契約を結んだ上、昨季の年俸額でトップだったジョナサン・テイズ(FW・29歳)、パトリック・ケイン(FW・28歳)という、ともにシカゴ ブラックホークスの優勝に貢献し、コンスマイストロフィー(プレーオフMVP)に輝いた二人を上回り、マクデイビットが「NHL最高年俸選手」となる見込みです !!

▼45歳の元MVPは就活中

”20歳のMVP” の景気の良い話と対照的に、思いもよらなかったオフを迎えているのが、昨季までフロリダ パンサーズでプレーしたヤロミール・ヤーガ(FW・45歳)

1998年の「長野オリンピック」で金メダルを獲得。その翌年にはハートトロフィーを受賞するなど、日本のスポーツファンにもお馴染みのヤーガですが、プロキャリア(NHL&KHL)27季目を終え、祖国のチェコへ帰国しました。

当サイトで紹介したように、オフシーズンは自らが生まれ育った故郷のチームのオーナー職を担い、多忙な毎日を過ごしている様子です。

▼23年前と違って・・・

昨季のヤーガは、ゴール数こそ前の年を下回ったものの、3季ぶりにフル出場を果たし、まだまだ健在! というところをアピール。

NHL史上二人目の「40歳を超えてから100点目」のゴールを決めるなど、ファンを沸かせ続けたのですが、在籍していたフロリダに限らず、「NHLのチームからのオファーが来ない」とのこと・・・。

NHLをプレーの場にしてから、最初にFA権を手にした23年前のオフには、「全てのチームのGMからアプローチがあった」にもかかわらず、このオフにアプローチをしてきたチームは「ゼロ」

▼ヤーガの就活は実を結ぶのか !?

45歳と言えども、前述のとおり昨季もフロリダの顔として活躍していただけに、ヤーガ自身も現役続行を強く望んでいるとのこと。

ちなみに、ヤーガの昨季のサラリーは「400万ドル(およそ4億5000万円)」

”氷上のレジェンド” と呼ぶべき存在であるヤーガの就職活動は、実を結ぶのか !?

まだまだ背番号「68」番のプレーを見たいのは、筆者だけではないのでは???

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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