レノファ山口:雪舞う必勝祈願で熱戦宣言。霜田新監督「白星がたくさん。縁起良い」
J2レノファ山口FCの新イレブンが1月13日、山口大神宮(山口市)を訪れ必勝を祈願した。今季は同日時点で9人が新加入し、選手規模25人で14日の初練習を迎える。
25人で始動。若手からベテランまで積極補強
昨シーズンを20位で終えたレノファは今年、監督やコーチを入れ替えて再出発。新たな指揮官として日本サッカー協会(JFA)技術委員長を務めてきた霜田正浩氏を迎え入れ、コーチに名塚善寛氏(前北海道コンサドーレ札幌コーチ)、GKコーチに土肥洋一氏(前東京ヴェルディ・アカデミーコーチ)が就任した。
必勝祈願にはコーチングスタッフと選手全員が参加した。山口市内は寒波の影響が残り、朝から雪模様。選手たちは雪の積もった境内を慎重に歩いて、拝殿へと向かった。
山口大神宮がある山口市中心部は積雪する日こそ少ないが、最低気温が氷点下になる日は多い。新戦力にとっては盆地特有の気候を体感する絶好の機会となったが、日が差しても0度台という気温に、多くの選手が寒そうにコートを羽織った。ただ、新加入のベテラン、DF坪井慶介は記念撮影時も落ち着いた表情を浮かべ、「寒いとは聞いていたので、大丈夫」と雪空を見上げた。
レノファは今オフ、その坪井をはじめ、即戦力をピンポイントで補強していった。昨シーズンのプレーヤーも多く残り、十分な基礎体力を持ってトレーニングに入って行けそうだ。
必勝祈願に集まった顔ぶれを眺めれば、選手の流出が最小限に留まったことが覗える。主力でプレーしてきたMF小野瀬康介やMF三幸秀稔などがチームに留まり、レンタルだったDF前貴之は完全移籍で残留。GK山田元気はレンタル期間を延長した。
選手構成をもう少し詳しく見ると、GK3選手に加えセンターバックのDF渡辺広大、DF福元洋平もチームに残った。守備のベース戦力が残留したのは前向きな要素で、ここにベテランの坪井慶介を迎えて、課題になっている守備の再構築を図る。
坪井は祈願した内容こそ「秘密」としたが、「若い選手が多いし、真面目な選手が多い。自分自身も負けないように努力していきたい」と話し、チームと自分自身の成長に意欲を示した。
攻撃陣も強化を進め、FW岸田和人とFW大石治寿の既存戦力に、FW高木大輔、FWオナイウ阿道など若手の即戦力候補を補強した。
ただボランチやトップ下で活躍したMF小塚和季が移籍したため、シュートに至るルートに穴が生じたのは認めざるを得ない事実。もっとも、ポジションの約束されていた選手が移籍したことで、フラットな状態での競争が生まれたとも言えよう。小塚頼みからの脱却とともに、MF佐藤健太郎やMF三幸秀稔、それに新加入選手などが巻き起こす中盤の競争がチーム力の向上に繋がるはずだ。
雪を飛躍へのステップに
祈願後に霜田正浩監督などが取材に応じ、今シーズンを展望した。
霜田監督は「明るく、楽しく、厳しく練習し、熱い試合を見せたい。目標の一つは、多くのサポーターに来てもらうこと。次も応援したいな思って貰えるような試合をしたい」と話し、熱戦を誓った。また雪舞う天気には「雪の日の必勝祈願は初めてで新鮮。多くの白星が降ってきてくれているので縁起がいい」と述べた。
レノファで5年目のシーズンとなる鳥養祐矢は「昨シーズンは20位だった。今年は頂点を目指してチーム一丸となって戦う。僕自身も去年以上の結果と内容を求めたい」と決意を新たにする。
なお、レノファの必勝祈願が「晴れない」のは3年連続。ただ、本格的な雪はJリーグ参入後では初めてで、雪が飛躍への良き触媒となるかもしれない。
【参考】近年の必勝祈願時の天気と最終成績 15年=快晴・1位(J3)▽16年=雨・12位(J2)▽17年=雨・20位(J2)▽18年=雪
練習は14日におのだサッカー交流公園(山陽小野田市)でスタート。新加入選手が意気込みを語る「新体制発表会」は21日に宇部市内で行われ、一般にも開放する(一般500円、シーズンパス購入者は無料)。22日からはキャンプ期間となり、開幕に向けてチームを仕上げていく。
開幕戦は2月25日で、ロアッソ熊本をホームに迎える。なお、ホームスタジアムの維新百年記念公園陸上競技場は、命名権を住設資材の販売・施工を行う「みらいふ」(福岡県久留米市)が取得。名称は1月12日から「維新みらいふスタジアム」(略称みらスタ)となっている。同社はグループ企業の三田工業(防府市)がレノファのオフィシャルパートナー(スタジアム看板スポンサー)を務めている。
※開幕節のキックオフ時間は1月24日に発表