薫り高い宇治抹茶は香り豊かな大人の味。京都「幸福堂」さんの素朴で力強い粒餡とほろ苦く贅沢な抹茶おはぎ
一年中購入できるようになった「おはぎ」。春はぼたもち(牡丹餅)と呼ばれ、4月に見事な花を咲かせる牡丹の花から由来されているものです。最初に考えた方の発想力に脱帽です。
京都府京都市、鴨川にかかる橋の一つに松原橋という橋がございまして、過去には「五条大橋」と呼ばれていたそうです。歴史や歌舞伎がお好きな方はピンときたかもしれませんね。
牛若丸(後の源義経)と武蔵坊弁慶が出会ったといわれている橋です。
その橋から徒歩2~3分にお店を構える和菓子屋「幸福堂」さんでは、ごじょうぎぼし最中というその伝説にあやかった最中が販売されているのですが、春と秋のお彼岸にはおはぎも販売されています。
今回は幸福堂さんの「おはぎ」を二種類ご紹介。
まずは「粒餡」。深い深い小豆色の粒餡は、見ただけで丹念に練り上げられたことが伝わります。力強いお色味は、どっしりとした武蔵坊弁慶のよう…と、言ってみたり。大納言小豆そのものの香りや風味、味わいが一口目からしっかりと味わえ、舌先といいますか体にゆっくりと染みていくような滋味深さをも持ち合わせています。口の中でゆっくりゆっくりと咀嚼しながらいただきました。
そして京都らしい抹茶にも出会うことができました。こちらは東京での催事にて実演販売を行っており、その香しさにつられてついつい。
ブランドでもある宇治の抹茶を惜しげもなく纏わせた糯米は、こちらも有名な近江羽二重糯を使用。糯米の食感を残した潰し具合です。
思わず唸ってしまうほどの薫香、たまりません。ほろ苦さを旨味ととらえることができて幸せだなぁとつくづく実感。ふんわりと空気を含んだような糯米なので、より一層抹茶の香りが花開きますね。そこへ粒餡の甘味も加わり、小豆が奥行のある味わいを演出。家庭的なおはぎではありますが、非常に力強く優雅なお茶の時間になりました。
そういえば、緑色のおはぎも抹茶にずんだ(枝豆)、青海苔といくつか種類がありますね。抹茶も抹茶のあんこだったり。
定番のあんこ以外のおはぎもぜひ、楽しんでみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<口福堂・本店>
公式サイト(外部リンク)
京都府京都市下京区松原通河原町西入松川町388-2
075-341-8850
9時~18時
定休日 水曜