ここから何シーズン、ドジャースのローテーションにはスネル、グラスナウ、山本、大谷の4人が並ぶのか
今オフ、ロサンゼルス・ドジャースは、FA市場に出ていたブレイク・スネルと5年1億8200万ドル(2025~29年)の契約を交わした。来シーズンのローテーションは、スネル、タイラー・グラスナウ、山本由伸、大谷翔平の4人に、あと1人か2人となる。
2024年に、スネルは、104.0イニングを投げ、奪三振率12.55と与四球率3.81、防御率3.12とFIP2.43を記録した。グラスナウは、134.0イニングで奪三振率11.28と与四球率2.35、防御率3.49とFIP2.90。山本は、90.0イニングで奪三振率10.50と与四球率2.20、防御率3.00とFIP2.61だ。
FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。
3人とも、イニングは多くない。とはいえ、いずれも、奪三振率は10.00以上、防御率は3.50未満、FIPは3.00未満だ。2024年に90イニング以上を投げた140人のなかで、奪三振率は2位と5位と14位、防御率は22位と44位と17位タイ、FIPは2位と7位と5位に位置する。奪三振率とFIPは、揃って上位10%に入っている。
投手としては、2024年が全休の大谷は、その前の2023年に、132.0イニングを投げ、奪三振率11.39と与四球率3.75、防御率3.14とFIP4.00を記録した。FIPは少し高いが、2022年は166.0イニングでFIP2.40だ。他の数値も、2023年より優れていた。
この4人がローテーションに並ぶのは、来シーズンだけではない。
スネル以外の3人は、昨オフにドジャースと長期契約を交わした。大谷が10年7億ドル(2024~33年)、山本が12年3億2500万ドル(2024~35年)、グラスナウは5年1億3656万2500ドル(2024~28年)だ。
ドジャースから、オーナーのマーク・ウォルターか編成責任者のアンドルー・フリードマンがいなくなると、大谷は契約をオプト・アウトする(打ち切る)ことができるが、これについては、今のところ、考慮する必要はないだろう。ちなみに、ウォルターとフリードマンの年齢は、60代半ばと40代後半だ。
山本がオプト・アウトできるタイミングは2度(トレードで移籍しなかった場合)。最初にその権利が発生する可能性があるのは、2029年のオフだ。
グラスナウは、契約最終年の2028年が、2156万2500ドルの選手オプションあるいは3000万ドルの球団オプションになっている。グラスナウが選手オプションを破棄すると、ドジャースは球団オプションの行使と破棄を選択できるようだ。
ということは、ドジャースは、少なくともあと4シーズン(2025~28年)、この4人をローテーションに並べることができる。2028年のシーズン年齢(6月30日時点)は、最年長のスネルが35歳だ。4人の平均年齢は、32.8歳となる。
ポストシーズンでは、5人目や6人目の先発投手を必要としない。レギュラーシーズンに離脱する時期があっても、ポストシーズンに彼らが揃い踏みし、それぞれが実力どおりの投球をすれば……。4人のうち、今年のポストシーズンで登板したのは、山本だけだ。