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PR会社って何する会社? 最近何かと目にする”PR会社”について記者が解説します

コティマムフリー記者(元テレビ局芸能記者)
出典:フォトAC

 兵庫県知事選挙後に何かと目にするようになった『PR会社』というワード。同県のPR会社代表が“選挙の舞台裏”を『note』で公開したことから、ニュースでよく耳にするようになった印象です。

“PR会社”と聞いても、マスコミ関係者や企業・団体の広報・宣伝担当でもない限り、「イマイチどんなことをしているか分からない」という方もいらっしゃるかもしれません。

 今回は、元テレビ局芸能記者で現・フリー記者のコティマムが、「PR」やPR会社についてご説明します。(取材・文=コティマム)

パブリック・リレーションズは19世紀からアメリカで発展した”行動のあり方”

出典:フォトAC
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 PR会社の”PR”とは、Pablic Relations(パブリック・リレーションズ)の略。もともと19世紀末から20世紀にかけてアメリカで発展した、「組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方・行動のあり方」を指しています。

 日本では1969年に加固三郎氏が著書『PR戦略入門』の中で、「PRとは、公衆の理解と支持を得るために、企業または組織体が、自己の目指す方向と誠意を、あらゆる表現手段を通じて伝え、説得し、また、同時に自己匡正(きょうせい)をはかる、継続的な対話関係である。自己の目指す方向は、公衆の利益に奉仕する精神の上に立っていなければならず、また、現実にそれを実行する活動を伴わなければならない」と定義しています。

 難しく聞こえますが、PR会社とは企業や組織、団体の広報業務を代行したり、支援やコンサルティングを行う会社のこと。PRは「企業や商品、サービスなどを社会や人々との信頼関係を構築するためのコミュニケーション活動全般」を指し、日本語では「広報」とも呼ばれます。

 2023年6月には『日本広報学会』が、「組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である」と、広報の定義を発表しています。

メディアやコミュニティ、ガバメントーーPRの対象はいろいろ

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 ひと口でPRと言っても、その「目的」と「対象」は多岐にわたります。例えば「メディア・リレーションズ」では、PR会社がアプローチする相手は記者、編集者、ディレクターなどのメディア関係者です。その目的は、PR会社がPRや宣伝を請け負っているクライアント企業についてメディアに報道してもらい、認知向上やイメージ向上につなげることです。

 PR会社はクライアント企業のサービスや商品、取り組みなどをメディアに取り上げてもらうために、イベントや発表会などを企画し取材呼び込みを行います。そのためのプレスリリース作成も業務のひとつです。その他にもSNSでバズりを起こすなど、メディア掲載に向けてさまざまな施策を行います。

 筆者はこの「メディア・リレーションズ」の中でいうと、メディア関係者=”PR会社からアプローチされる側”になります。報道機関に所属していれば、毎日大量の取材案内やイベント案内が届きますし、「この企業のこんな取り組みをオンエア/掲載できる方法はありませんか」と相談を受けることもあります。このような場合のニュース掲載や記事出し、オンエアなどには費用はかかりません。最近はPR会社もメディア関係者だけでなく、SNS上で影響力を持つインフルエンサーにダイレクトメールでアプローチし、イベントに招待したりSNS上でのプロモーションを依頼することもあります。

出典:フォトAC
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 ただしメディアもインフルエンサーも、PR会社から紹介された案内や依頼された内容をすべて取材・掲載するかといったらNOです。案内されたものを全てオンエア、掲載すればいいのではなく、各媒体が「自社のメディアに内容が合うかどうか」「旬な話題かどうか」「ニュースにするべき内容かどうか」をしっかり吟味します。そのため、PR会社から案内をいただいても「取材しない」という決断を下すことは多々あります。

 その他にも投資家・株主を対象としたプロモーションを行う「インベスター・リレーションズ」、企業・団体の成長を促進するために自社の従業員にプロモーションを行う「エンプロイー・リレーションズ」、企業価値を高めるため地域社会にプロモーションを行う「コミュニティ・リレーションズ」などがあります。こちらはメディアへの無料掲載ではなく、企業や団体の営業担当者などにアプローチする形になります。広告費も発生するため「パブリック・リレーションズ」ではなく「広告・プロモーション」というくくりになります。

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 そして今回、兵庫県知事選で話題になっているPR会社は、民間企業の他にも政府や地方自治体を対象にした「ガバメント・リレーションズ」を担っていたと思われます。SNSやWebを活用したオンラインでのブランディングやマーケティングを得意とされているようですが、SNS戦略に力を入れていきたい企業・団体にとっては、こうした分野が得意なPR会社は魅力的に感じるでしょう。

 メディアも日々お世話になっているPR会社。みなさんが目にするニュースやイベント、ムーブメントなどには、PR会社の影の努力があることも実は多いのです(もちろん、PR会社がメディア掲載までの道のりやプロモーションの手の内を公にするということは、通常はありません)。

※今回の記事は、普段PR会社と仕事をしているメディアとしての目線から、PR会社の仕事の一部を紹介しています(実際はもっといろいろな業務があると思います)。

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フリー記者(元テレビ局芸能記者)

元テレビ局芸能記者で、現・フリーランス記者。歌舞伎や舞台、芸能イベント、企業・経営者を取材中。記者目線ならではの“言葉のお話”や、個人的に取材したおもしろ情報を発信していきます♪執筆記事1万本以上。取材は5200回以上。現在は『ENCOUNT』、小学館『DIME WELLBEING』、舞台評、企業HP制作など多岐に渡り執筆中。過去媒体にテレ朝ニュース、キャリコネニュース、音楽雑誌『bounce』など。24年11月に合同会社パラレルコネクトの設立メンバーに。メディアやインフルエンサーと企業をつなぐサポートもしています!

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