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2年連続35セーブ以上の投手に放出の噂が出ているのはなぜ!? 再建を始めるから…ではなく

宇根夏樹ベースボール・ライター
リーアム・ヘンドリクス(シカゴ・ホワイトソックス)Sep 13, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 リーアム・ヘンドリクス(シカゴ・ホワイトソックス)は、ここ2シーズンとも、35セーブ以上を挙げている。2021年が38セーブ、2022年は37セーブだ。計75セーブは、このスパンで2番目に多く、計79セーブのケンリー・ジャンセン(現FA)に次ぐ。

 両シーズンのスタッツは、奪三振率が14.32と13.27、与四球率が0.89と2.50、防御率は2.54と2.81だ。いずれも、今シーズンのほうが少し劣るが、決して悪い数値ではなく、セーブ成功率は86.4%→90.2%と上昇している。

 ホワイトソックスは、12年ぶりのポストシーズン進出となった2020年のワイルドカードに続き、昨シーズンは93勝を挙げてア・リーグ中地区を制した。今シーズンは81勝81敗に終わり、ポストシーズン進出を逃したが、ここから再建に入るわけではない。来シーズンも、クローザーは必要だ。

 だが、MLB.comのマーク・フェインサンドは、ホワイトソックスと他球団がトレードの話をするなかで、ヘンドリクスの名前が浮上、と報じている。そのとおりだとすれば、今オフに放出する可能性は皆無ではないということになる。

 来シーズン、ヘンドリクスは、3年5400万ドルの契約最終年を迎える。年俸は1400万ドルだ。この契約には、2024年の球団オプションがついている。行使する場合は、年俸1500万ドル。破棄する場合も、ホワイトソックスは、年150万ドルの10回払いで計1500万ドルを支払う。来シーズンの年俸とオプションの合計は、行使でも破棄でも2900万ドルとなる。

 ホワイトソックスは、この金額を浮かせ、他の補強に回したいと考えているのかもしれない。例えば、ローテーションの後ろのほうで投げるベテランの先発投手なら、これくらいか、そこに少しプラスした金額でも、手に入れることができそうだ。

 ヘンドリクスに代わるクローザーには、ケンドール・グレイブマンを据えることができる。また、今シーズンの開幕直前にトミー・ジョン手術を受けたギャレット・クローシェイは、5月か6月に戻ってくる予定だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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