メジャー最高遊撃手はドジャースの救世主となれるか?
1988年を最後にワールドシリーズ優勝から遠ざかっているロサンゼルス・ドジャース。
過去5年間は毎年90勝以上して、プレーオフに進みながらもプレーオフで負け、88年以来のワールドシリーズに勝ち進んだ昨季も第7戦で敗れて優勝を逃した。
2014年オフに球団編成最高責任者に就任したアンドリュー・フリードマンは、毎年のようにトレード期限直前に的確な選手補強をしてきた。
15年はアレックス・ウッド、16年はリッチ・ヒル、そして昨夏はダルビッシュ有を獲得。ダルビッシュは昨プレーオフで好投を続けたが、肝心のワールドシリーズ2試合では大きく崩れ、悲願の世界一奪回の計画も崩壊した。
世界一まであと1勝と迫り、優勝トロフィーに手をかけた状態まで行きながらも掴み損ねたドジャースは、今季こそ球界の頂点に立つと意気込んでいる。
オールスターまでの時点で53勝43敗で、ナショナル・リーグ西地区2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスに0.5ゲーム差の地区首位に立つドジャースが、ワールドシリーズ制覇への救世主と選んだのが26歳になったばかりのマニー・マチャド。
ナショナルズのブライス・ハーパーと並んで今オフのフリーエージェント市場の目玉と呼ばれるマチャドは、300億円を超える契約を手にすると言われるほどの逸材だが、知名度はそこまで高くない。
地味なスター選手、マチャドとはどんな選手なのだろうか?
フロリダ州で生まれ育ったマチャドは高校を卒業した2010年のドラフトで、1巡目全体3位でオリオールズから指名を受けて入団。ちなみに、この年の全体1位指名はワシントン・ナショナルズが指名したハーパーだった。
マイナーリーグで3年間プレーした後、2012年8月にメジャーデビューを飾り、20歳で開幕を迎えたメジャー2年目にはリーグ最多の51本の二塁打を放ち、オールスターにも選ばれた。
2015年から昨季まで3シーズン連続で33本塁打以上を放ち、今季も前半だけで24本塁打を記録。パワーと確実性を兼ね備えた大型遊撃手だ。
12年にメジャーデビューを果たしてから昨季までは三塁を守り、ゴールドグラブ賞を2回獲得したように守備にも定評があるが、今季からはショートへ転向した。
ドジャースは強打の若手遊撃手、コリー・シーガーが5月にトミー・ジョン手術を受けて今季絶望。シーガーの代役として、シーガー以上の強打を誇るマチャドが選ばれた。
マチャドがドジャースのショートを守ることで、シーガー離脱後にショートに入っていたクリス・テイラーを二塁に回すか、テイラーを外野に戻してキキ・ヘルナンデスを二塁手として起用できるなど、選手起用の幅が大きく広がる。
ロサンゼルスでは、NBAのレイカーズがリーグを代表するスーパースターのレブロン・ジェームズを電撃獲得したばかりだが、レブロンに次いでマチャドの獲得に成功したことで街は盛り上がっている。
マチャドが活躍して、ドジャースにチャンピオンシップ・トロフィーをもたらすことができれば、オフには総額300億円ではなく、400億円を超える超大型契約を手にできるかもしれない。逆にプレーオフで結果を出せなければ、マチャド株が大暴落する危険性もはらんでいる。
マチャド自身にとっても、これからの3ヶ月半は野球人生を大きく左右する大切な時期となる。