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連続放火事件「くまぇり」の服役後初の獄中手記を公開!

篠田博之月刊『創』編集長
2014年7月にくまえりが獄中で書いた手記

2006年、長野県で連続放火事件の容疑者として逮捕された女性は、相次ぐ放火事件を自分のブログで「こわいよー」などと写真入りで伝えていた。タレントの熊田曜子似と自称し、自ら「くまぇり」と名乗っていた彼女は、懲役10年の実刑判決により服役した。

彼女はその後どうしたのか。今回、2014年8月7日発売の月刊『創』9・10月合併号では服役後初めての本人による近況報告手記を掲載した。既に事件から8年経っているが、いったいあの事件は何だったのか。

逮捕後の供述で語った放火の動機が「諏訪を有名にしたかった」など、当時はとんでもない女性として報じられた「くまえり」だが、実際に本人に接触してみると、小学校からいじめにあって中学までずっと不登校だったことや、パニック障害という障害を抱えていたこと、留置場で自殺を図ったことなど、伝えられているほど単純でない事件の背景に次々と直面した。そして2007年、判決前後に『創』では本人の手記を次々と公開。新聞・テレビで報じられて大きな反響を呼んだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/3113353/

http://blog.livedoor.jp/umunenori/archives/53717757.html

その後、「くまぇり」の消息は、一部雑誌やネットで伝えられていたが、本人が出所後は女優になりたいと言っている、といった怪情報が多く、しかもそれが独り歩きしている感もあったため、今回、『創』で再び本人の手記を公開したものだ。当然のことだが、事件から8年経って、本人にもいろいろな変化があった。彼女なりに努力を重ね、禁断症状を伴ったパニック障害もほとんど克服したし、本人も大きな成長を遂げた。手記の一部を紹介しよう。

《私は今迄何となく生きて来て、「向上心」なるものは無縁だったのですが、実はここへ来てもの凄く勉強熱心になりました。3年がかりで高卒認定(大検)を取ったり、フォークリフト運転や、危険物取扱者、2級ボイラー技士の資格を取得する事も出来ました。机にかじりついて受験生活をしたのも生まれて初めてでした。学校に行かなかった分を一気に取り戻した気分です。

ここでは全て独学で、教科書や参考書を自分で買ったり差し入れして貰って勉強しました。難しすぎてもう諦めよう、と思った時も何度もありましたが、ここまで来て諦めたら昔の弱い自分に戻ってしまう気がして自分の時間を削って必死で勉強し、ほとんどを高得点で合格しました。

今私は語学勉強をしています。もちろん独学です。そして仕事上では今私は人の上に立つ立場として沢山の人達をまとめ、指導しています。昔の私ならば、到底考えられない、ありえない事です。》

「くまぇり」がこの8年間をどう過ごしてきたか、便箋18枚に書かれた長文の手記の全文は、月刊『創』今月号か創出版のホームページ上から電子版にアクセスすれば読むことができる。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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