甲子園でプレーする夢を捨てきれない高校球児たちよ、大学でアメフトをプレーしてみないか?
2020年は新型コロナウイルスの影響で春と夏の甲子園大会が中止となり、高校3年生の球児たちは幼い頃から夢に掲げていた甲子園でプレーするという大きな目標を道半ばで失い、不完全燃焼で高校野球人生にピリオドを打つ形となった。
春のセンバツ甲子園出場予定校は、8月に開催される代替試合にて甲子園でプレーする機会を与えられたが、代替大会に出場できる32校以外の3年生たちには、甲子園の土が入ったキーホルダーが、高校生活最後の夏に甲子園出場に挑戦する機会の代わりとなる。
高校野球選手にとって甲子園出場へのチャレンジはあまりにも大きな目標で、こんな形で夢を取り上げられてしまい諦めきれない高校球児も少なくないはずだ。とくに大学や社会人で野球を続ける選択肢がない選手にとっては。
そんな甲子園でプレーするという夢を諦めきれない高校球児たちにお勧めしたいのが、大学でアメリカンフットボールに転向して甲子園を目指す道だ。
アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝戦の舞台は他でもない甲子園球場。「甲子園ボウル」と呼ばれる大学アメフト王者決定戦を目指して、大学の4年間は新しいスポーツに挑戦するのだ。
アメフトは選手の大半が大学から始めるスポーツ
大学から新しいスポーツに転向するのは遅すぎると感じるかもしれないが、小学生のときからプレーしている選手が多い野球とは異なり、日本のアメフトは大学から取り組んだ選手が大半だ。
その理由として、高校でプレーできる機会の少なさが挙げられる。
日本では中学、高校でアメフトをプレーできる機会がとても少ない。文部科学省によると日本には4820の高校があるが、公益財団法人日本高等学校野球連盟(高野連)の加盟校は3957校。これがアメフトになると、日本高等学校アメリカンフットボール連盟に加盟しているのは107校しかないので、高校でプレー経験がある選手数が野球とは桁違いに違う。
大学になると、全日本大学野球連盟の加盟校が380校で、日本学生アメリカンフットボール協会加盟校は189校と野球の半分となる。
関東学生アメリカンフットボール連盟の公式サイトには、
と大学でアメフト・デビューする選手が多いことが記されている。
アメフトは適材適所で、誰でも活躍できる場所が見つかるスポーツ
野球の場合、指名打者を除けば、誰もが守備位置に付き、打席にも立つ。守備では与えられる役割が若干異なってくるが、打席では投手が投げたボールをバットで打つのは誰もが同じだ。
専門性が徹底されているアメフトの場合、攻撃だけ、もしくは守備だけに専念する選手がほとんどで、中にはタックルの練習もほどんどしないでキックしかしないような選手も存在する。スピードを生かせるポジション、パワーを生かせるポジションなどポジションによって必要とされる能力は異なるので、野球のようなオールラウンダーでなくてもアメフトは一芸に秀でていれば活躍できる。
アメフトは努力が実りやすいスポーツ
高校時代は3番手投手として甲子園のベンチ入りは果たしたが一度もマウンドに立てなかった植木大輔さんは、大学からアメフトに転向すると大学のオールジャパンに選ばれ、社会人時代は日本代表に選ばれる選手に成長した。その植木さんは週刊文春の取材にこんなことを語っている。
京都大学でアメフト学生日本一を2度経験した安澤武郎さんは、
と「センス」と「スキル」に関して語っているが、アメフトはスキルが非常に重要なスポーツ。AKB48の元総監督、高橋みなみの名言「努力は決して裏切らない」を実感できるスポーツがアメフトだ。
アメフトは大学から始めても全日本入りを狙えるスポーツ
アメリカンフットボールの全日本代表のメンバーの中にも大学からアメフトを始めた選手は少なくない。そして、高校時代に野球に打ち込んでいた選手が驚くほどに多いのだ。
甲子園出場の夢をコロナに打ち砕かれてしまった高校球児は、大学でアメフトに転向して甲子園ボウルを目指してみてはどうだろうか。今まで気づかなかった自分の新たな才能を発掘できるかもしれない。