山口県の軍民共用の岩国錦帯橋空港に正体不明のドローン飛行か 民間機の発着に影響 安全保障リスクも #専門家のまとめ
12月22日夜、山口県岩国市にある米海兵隊岩国基地の滑走路上空付近を複数のドローンが飛行しているとの情報があり、アメリカ軍と軍民共用の岩国錦帯橋空港の滑走路が一時使えない状態になった。午後6時50分に同空港に着陸予定の羽田発の全日空637便は広島空港(広島県三原市)に代替着陸した。後に安全が確認され、637便は約3時間遅れで岩国錦帯橋空港に到着するなどの影響が出た。空港周辺のドローン飛行は小型無人機等飛行禁止法などで原則禁止されている。安全保障へのリスクも無視できない。いったい何が起きたのか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
基地や飛行場など社会的に重要なインフラ施設の上空で、正体不明のドローンが飛行する影響が無視できない状況に陥っている。今回のケースでは、民間機の発着便に大きな影響が出た。岩国基地とその周辺でドローンを無断で飛ばした場合、小型無人機等飛行禁止法に違反する可能性があり、山口県警岩国署がドローンが実際に飛んだかも含めて調べている。
米軍の準機関紙、星条旗新聞は現時点では今回の事案について何も報じていないが、米軍と今回のドローン飛行との間に何らかの関わりがあるのかないのか、今後の報道が注目される。
海外でもドローン飛行による社会的な問題が広がっている。毎日新聞によると、アメリカ連邦航空局(FAA)は12月18日、東部ニュージャージー州の20カ所以上で、ドローンの無許可飛行を今後約1カ月間禁止した。州内で「正体不明のドローン」の目撃情報が相次いでおり、重要インフラの付近が禁止区域に含まれたという。「違反したドローンは撃ち落とされる可能性がある」と同紙は伝えている。
今後、正体不明のドローンの目撃情報が多発し、社会的影響が広がる事態となれば、日本でもさらに厳しい対抗措置を取らざるを得なくなるのではないか。