安倍昭恵さん「トランプ氏は戦争をしたくない人」日台友好の会合で講演
故安倍晋三元首相の妻、昭恵さんは12月22日に都内で開催された日台友好団体「日本李登輝友の会」主催の「日台共栄の夕べ」で講演した。
会場に駆けつけた大勢のメディアを前に、昭恵さんは15日に米フロリダ州の私邸でトランプ次期米大統領と会談したことに触れ、「今日メディアの方が来られたのも少しでもアメリカの話が聞きたいと思われたためと思いますが、良い夕食会でしたということに留めておきたいと思います」と述べるにとどまった。
ただ、トランプ大統領(当時)とメラニア夫人が国賓として2019年5月に来日し、同月26日に六本木にある炉端焼き「六本木 田舎家」で4人で食事をした時を振り返り、「戦争の話になった際、トランプ大統領が『先の戦争の時に自分とシンゾーだったならば戦争は起きなかったに違いない』と言っていました。トランプ大統領という方は戦争がしたくない人なんだなとその時に思いましたので、今回、平和な世界に導いていっていただけたらいいなという風に思っています」と述べた。
この昭恵さんのトランプ氏への観察眼は安倍元首相とも重なる。元朝日新聞主筆の船橋洋一氏が10月に刊行した著書『宿命の子 安倍晋三政権クロニクル』(文藝春秋)では、安倍元首相がトランプ氏を評して、「トランプは内心、軍事作戦を怖がっているのではないか。いざという時、彼は引っ込んでしまうかもしれない」と述べたことが紹介されている。
トランプ氏が平和主義者であることを裏付けるかのごとく、21日付の産経新聞の記事によると、トランプ氏は昭恵さんとの会談で次期米大統領として「世界の平和を守りたい」という趣旨の話をした上で、石破首相に贈る自身の写真集に英語で「平和」と記したという。
また、船橋氏の同書では、安倍元首相が「トランプは安全保障観を持って台湾防衛は考えてない。価値観的なものも、彼にはない。対中貿易交渉に使う1つのツールぐらいにしか考えていない」と述べたことも記されている。
昭恵さんの講演に先立ち、来賓の挨拶をした台湾の台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表(大使に相当)は「台湾は既に世界で無視できない強い主権独立国家です」と述べた。