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「森保Jが羨ましい」とした韓国も再出発。“100億円”の欧州組18歳も初招集しチーム刷新

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
ベテランが引退した今、ソン・フンミンが大黒柱となるが(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

本日3月22日にコロンビア代表と、26日にボリビア代表とホームで親善試合を行う森保ジャパン。

準優勝に終わったアジアカップ後、初のAマッチであり、香川真司の復帰など13人を入れ替えて臨むことなども注目を集めているが、韓国代表も同日にホームでAマッチを行う。

奇しくも、対戦するのは日本代表と同じ相手だ。22日にボリビア戦、26日にコロンビア戦が行われる。

(参考記事:6カ月で3度目、間接比較も。韓国と日本、同じ相手とAマッチ2連戦「奇妙な宿命」

ただ、韓国代表の状況もアジアカップから変化している。

日本代表が羨ましい

振り返れば韓国代表は、59年ぶりの優勝を期待されたアジアカップで、カタール代表に敗れてベスト8で敗退。

アジアカップから早々と去ることになった衝撃は大きく、当時は韓国メディアも批判の声を高めていた。中には、決勝進出を果たした日本代表を「羨ましい」と報じるメディアもあったほどだ。

(参考記事:「欧州に進出しすぎて問題」という日本サッカー。それでも羨ましく映るワケ

そんな中、代表チームの課題に挙げられたのが世代交代だった。

パウロ・ベント監督はアジアカップで、ロシア・ワールドカップ組の多くを起用したが、大会後にはチームの屋台骨を支えてきたキ・ソンヨンとク・ジャチョルが代表引退を表明した。

キ・ソンヨンはAマッチ通算110試合に出場、ク・ジャチョルは76試合に出場してきたベテランだ。代役探しは急務で、「保守的」と批判されたベント監督に、チームの若返りが求められていたのは間違いないだろう。

それだけに3月11日に発表されたAマッチ招集メンバーも注目を集めたが、ベント監督の決断は大胆だった。

22歳以下が7人

招集メンバーには、ソン・フンミン(トッテナム)やファン・ウィジョ(ガンバ大阪)など、アジアカップメンバーも選ばれたが、若手選手たちも大挙招集したのだ。

なんと27人中7人は22歳以下の選手で、平均年齢も25.8歳とアジアカップ(27.5歳)から約2歳、若返った。

若手選手の中には、ファン・インボム(大田シチズン)やナ・サンホ(FC東京)、クォン・チャンフン(ディジョン)など、代表経験がある選手もいるが、特に注目を集めているのは初選出された選手だろう。

ひとりは、スペインのジローナでプレーするペク・スンホだ。

ロシア・ワールドカップに出場したイ・スンウ(ヴェローナ)と同じく、FCバルセロナの下部組織で育った22歳。年代別代表で活躍し、2017年に韓国で行われたU-20ワールドカップでは、ゴールパフォーマンスが「マラドーナをディスる」疑惑にもさらされるなど、かねてから注目を集めてきた中盤のマルチプレイヤーである。

ただ、そのペク・スンホよりも注目されているのは、イ・ガンインだろう。

バレンシアでプレーするイ・ガンインは、2月に若干18歳の若さでUEFAヨーロッパリーグに出場して関心を集めたアタッカーだ。一部メディアでは、「8000万ユーロ(約100億円)の市場価値がある」と報じられたこともある。

今季バイエルン・ミュンヘンでUEFAチャンピオンズリーグのデビューを果たしたチョン・ウヨンらと並べて期待を集めてきただけに、初のA代表入りも話題になっている。

(参考記事:欧州トップリーグでプレー!! “韓国のメッシ”だけじゃない「注目株」10人を一挙紹介

「基本的な能力が良い。代表チームにどのように溶け込めるか確認したい」と語ったベント監督のイ・ガンインの起用法も注目の的だ。

いずれにしても、イ・ガンインを筆頭に欧州でプレーする若手を大挙招集し、世代交代に踏み切った韓国代表。

「欧州組ドリームチーム」(『スポーツソウル』)とも報じられているが、はたして、そんな“新生”代表チームは、衝撃の敗退を喫したアジアカップ後、初となるAマッチでどんな戦いを見せるか。森保ジャパンとの比較も避けられない中、幸先の良い再出発を切れるか注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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