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丸亀のオリックス戦で長坂選手がプロ1号!青柳投手は5回無失点《7/30 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
30日にプロ1号を放った長坂拳弥選手。翌31日の野球教室での写真です。

 28日は鳴尾浜で、29日と30日は香川県の四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀(丸亀市民球場)で行われたウエスタン・オリックス戦。最終日のきのう30日は、後半で9得点をあげた阪神が勝って2勝1敗で終了しました。丸亀では1勝1敗です。

 先発の青柳投手が5回を投げ2安打無失点(しかも無四球)と好投。打線は長坂選手のプロ1号3ランなど、先発全員の10安打。ちなみに途中出場した江越選手だけ打席が回っておらず、代打の緒方選手は中前タイムリーを放ちました。つまり打席に立った選手10人が、みんな仲良く“1本ずつヒットを打った”ということですね。

《ウエスタン公式戦》  7月30日

阪神-オリックス 23回戦 (丸亀)

 オリ 000 000 010 = 1

 阪神 000 005 04X = 9

◆バッテリー

【阪神】青柳-○石崎(1勝)-柳瀬-山本-伊藤和 / 長坂

【オリ】●吉田凌(4勝3敗)(5回2/3)-鈴木優(1/3回)-佐藤達(1回)-ウエスト(1回) / 飯田

◆本塁打 長坂1号3ラン(鈴木優)

◆三塁打 伏見

◆二塁打 陽川、荒木、板山、杉本

◆打撃  (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]左:荒木  (3-1-0 / 2-1 / 0 / 0) .240

〃打左:緒方 (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .222

2]二:森越  (5-1-1 / 2-0 / 0 / 0) .205

3]中:板山  (5-1-2 / 2-0 / 0 / 0) .181

4]右一:陽川 (4-1-0 / 2-1 / 0 / 0) .264

5]一:新井  (3-1-1 / 1-1 / 0 / 0) .321

〃右:江越  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .125

6]三:今成  (4-1-1 / 0-0 / 1 / 0) .220

7]指:狩野  (3-1-0 / 1-1 / 1 / 0) .260

8]捕:長坂  (3-1-3 / 2-1 / 0 / 0) .165

9]遊:植田  (3-1-0 / 2-1 / 2 / 0) .217

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

青柳  5回 70球 (2-4-0 / 0-0 / 2.72) 143

石崎  2回 22球 (0-2-0 / 0-0 / 4.05) 155

柳瀬 0.1回 17球 (2-1-1 / 1-0 / 1.59) 147

山本 0.2回 13球 (0-0-0 / 0-0 / 2.79) 141

伊藤和 1回 23球 (0-2-0 / 0-0 / 0.65) 145

<試合経過>

青柳投手はストライク先行でいいリズムです。
青柳投手はストライク先行でいいリズムです。
石崎投手は真っすぐ中心で2イニングを完ぺきに。
石崎投手は真っすぐ中心で2イニングを完ぺきに。
丸亀でも出ました。155キロ!
丸亀でも出ました。155キロ!
追加点のピンチをしのいだ山本投手。
追加点のピンチをしのいだ山本投手。

 まず青柳は1回、先頭の小田を投ゴロに打ち取り(フィールディングもOK!)、吉田雄はファーストの内野安打、長坂の捕逸で二塁へ進めるも後続をピシャリ。2回と3回は三者凡退で、外野へ打球を飛ばされていません。4回も一ゴロと遊飛で簡単に2死を取り、4番の岩崎には中前打を許しましたが、続くジョージは空振り三振!5回はまた内野フライとゴロのみで三者凡退。5回2安打無失点、しかも無四球で交代です。

 6回は石崎が登板して2奪三振などで三者凡退。その裏に打線が5点を取り、7回も3番・宗からを三者凡退!またまた155キロを出しています。8回は柳瀬。1死後、代打・伏見に右中間への三塁打を浴び、そのあと長坂が捕逸。これで1失点(柳瀬の自責0)。園部はストレートの四球で、続く代打・杉本に右中間への二塁打を許して降板。1死二、三塁で代わった山本は内野ゴロ2つでしっかりと抑えました。

 打線はオリックスの吉田凌に対して、1回が連続三振から始まり三者凡退。2回は先頭の陽川がライトへ二塁打を放つも、後を抑えられて無得点。3回は連続三振から荒木に左翼線二塁打が出ましたが、やはり0点。4回も連続三振から新井が四球を選んだだけ。5回もまたまた連続三振から植田が四球を選び、二盗成功。しかし荒木は見逃し三振で、5回までオリックス打線と同じ2安打無得点。しかも毎回の10三振を奪われ、三振しなかったのは今成のみです。

6回に2点取ったあと、長坂選手の3ラン!
6回に2点取ったあと、長坂選手の3ラン!
投手、捕手のみんなも笑顔で迎えます。
投手、捕手のみんなも笑顔で迎えます。
最後は伊藤和投手が三者凡退締め!
最後は伊藤和投手が三者凡退締め!
試合後に手を振る新井良太選手。どこへ行っても大人気です。
試合後に手を振る新井良太選手。どこへ行っても大人気です。

 0対0のまま迎えた6回、まず森越が振り逃げ(三振と捕逸)で出ます。1死後に暴投で二塁へ、陽川が四球を選んで1死一、二塁。新井の打球をセカンドがグラブに当てるも右前タイムリーとなり1点!なおも1死一、三塁、今成は遊ゴロ併殺崩れ、その間に陽川が還って2点目。狩野は死球で2死一、二塁。ここで吉田凌が降板しました。

 代わった鈴木優に対し、長坂はカウント1-1からの3球目(148キロの真っすぐ)をレフトへ!プロ1号の3ランで5対し0と突き放します。次の植田はピッチャー内野安打で出て、また盗塁成功。荒木の四球で2死一、二塁とするも、一巡して森越は遊ゴロで攻撃終了です。

 7回は三者凡退でしたが、8回はウエストから今成と狩野がともに中前打し、ともに盗塁を決めて無死二、三塁。長坂は四球で満塁となり、1死後に代打の緒方が中前タイムリー!なおも1死満塁で森越も中前タイムリー。長坂はホームでアウトとなるも森越は三塁へ進み、2死二、三塁。続く板山が左翼線への2点タイムリー二塁打!この回、5安打で4点を追加して9対1としました。

 9回は伊藤和が登板。宗を真っすぐで空振り三振、岩崎は10球以上粘られますが真っすぐで一飛に打ち取り、最後はモレルをフォークで空振り三振!クリーンアップを三者凡退に切って取り試合終了です。

2球で追い込む安定の立ち上がり

 試合後の掛布雅之監督は、青柳投手の投球について「左バッターへのインコースを意識して投球を組み立てていた。それが課題だからね。それに、らしさというか、打たれても内を攻める気持ち。その気持ちで球威が増してくるよね」と振り返っています。久保康生投手コーチは「修正を入れて2試合目、前の甲子園よりは、ずいぶんボールを引っ張れるようになった。きょうは左バッターが多かったので、効果が出たんじゃないかな。ゴロも多かったし」とのこと。

翌31日の野球教室にて。とてもリラックスした表情で指導していました。
翌31日の野球教室にて。とてもリラックスした表情で指導していました。

 修正と言うのは、前回登板(23日のソフトバンク戦・甲子園)でも言っていたように『プレートの立ち位置を、一塁側から春季キャンプ以前の三塁側へ戻して、腕を最後まで振り切り強いボールを投げる』というもの。きのうも三塁側に立って投げていました。なお、5回で代わったのは予定通りで「今、ちょっとバテてくる時期だから、みんな少し早めにね」と久保コーチは話しています。

 では、青柳晃洋投手のコメントをご紹介しましょう。実は青柳投手、この日は1回から3回にかけ、打者8人続けて2球で追い込みました。9人目に初めて初球がボールになったのです。「ストライク先行でいけたのでよかったです」とニッコリ。そして「きょうはストレート中心だったので、同じボールを投げられたのが(テンポよくいけた)要因かなと思う」と自己分析。

 1回の先頭がピッチャーゴロ、これをクリアしてリズムに乗れた?「そうですね。一発目に、こないだミスしたようなのだったから、よかったですね」。フィールディングも課題の1つです。

全力で走ったプロ1号!守備では反省も…

三塁を回ると、さすがに歩調はゆるみ、頬も少しゆるんだ…かな?
三塁を回ると、さすがに歩調はゆるみ、頬も少しゆるんだ…かな?

 次は、プロ1号3ランの長坂拳弥選手です。入ると思ったか尋ねたら「感触はよかったです!でも行ったとは思わなくて、行くかな~と。だから全力で走りました」と少し笑います。バッティングもアピールできた?「そうですね。アピールしていきたいですね。これから」。それにフルでマスクをかぶり、ナイスリードでした。「ミスが出たのは反省ですけど…最少失点で終われたのはよかった」。2つのパスボールで、8回はそれが失点の原因となったところを言っています。

ことし試合後の整列で発声するのは長坂選手の役目ですが、一段と大きな拍手でした。
ことし試合後の整列で発声するのは長坂選手の役目ですが、一段と大きな拍手でした。

 なお5点を取った直後の7回表が始まる際に、スタンドから打点を新井選手、今成選手、そして長坂選手のコールが。「ながさか!ながさか!」と名前を呼ばれたものの、ちょうど石崎投手が投球練習中。それが終わったところでマスクとヘルメットを取り、両足を揃えて、一塁側スタンドへ深々と頭を下げた長坂選手。とても律儀なお辞儀で、スタンドから拍手と歓声が上がりました。ちなみにホームランボールは回収されなかったとのこと。1軍でもらいましょう!

 最後に、この日2つ盗塁を決めた植田海選手。これで通算20個となりました。2位のソフトバンク・釜元選手に4差のリーグトップです。ただしコメントは「ピッチャーの癖もあったので。見抜けたというか…」だけ。また今度、ゆっくり聞いておきます。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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