核合意への道/イラン・アメリカ関係の軌跡(8)-「毒の杯を飲むより辛い」
こうした両者の歩み寄りが今回の合意の背景にあった。しかし、これまで決して合意することのなかった両者が、なぜ今回は合意できたのだろうか。それには双方の事情があった。アメリカ側から見ると、オバマ政権の任期切れが迫っていた。2期8年を務めた大統領としてオバマは歴史に刻む業績が欲しかっただろう。「レガシー(遺産)」と表現されているものである。国務長官のケリーとしても長年上院議員を務め2004年には民主党候補として大統領選挙にも出馬した。その長い経歴の最後を迎えつつある人物である。レガシーにこだわったというのは容易に想像できる。
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