猛暑の影響で外食産業が大ピンチ! 飲食店は夏をどう乗り切ればいい? #専門家のまとめ
2024年も全国的に梅雨が明けました。35度を超えるのも日常的となり、厳しい酷暑が続いています。ウェザーニュースによれば、今夏は最も暑かった昨年に匹敵するくらいであるといい、まだまだ気が抜けません。このような暑さが続く中で、不要不急の外出はできるだけ控えるようにとアナウンスされています。外食にも影響が及びそうですが、飲食店はどのような状況になっているのでしょうか。猛暑の中で飲食店が置かれた状況について考察していきます。
ココがポイント
▼2024年の7月から9月の平均気温は全国的に平年より高く、地域によっては40度前後になることも
・2024年 全国的に暑い夏、最も暑かった昨年に匹敵か 暑さピークは7月下旬~8月上旬(ウェザーニュース)
▼昨年の猛暑や訪日客の需要の高まりを受けて、米の価格が昨年同期比で14%も高くなっている
・コメ高騰で家計直撃 猛暑での品質低下、訪日客増が影響:福島ニュース(福島民友新聞社)
▼去年の猛暑が豚の子作りに影響し、豚の出荷数が少なく豚肉の価格も高騰
・このままだと高級食材に…猛暑で豚肉価格が高騰、“豚の子づくり”に影響も(TBS NEWS DIG)
▼猛暑の行列には飲食店版ファストパスが有効。人気店も導入し、利用者は予想以上
・猛暑の行列には“ファストパス”が有効!人気店もスマホで予約し優先案内 熱中症対策に新サービス(FNNプライムオンライン)
▼飲食店の47%が8月に業績が悪化。58%が夏メニューを用意し、30%が提供期間を長くし、9月下旬まで提供が最多
・飲食店の「ニッパチ」は本当!?飲食店の猛暑対策を調査~3割が、夏メニューの提供期間を延長~(シンクロ・フード)
エキスパートの補足・見解
飲食業界では一般的に「ニッパチ」=「2月と8月」は、1年のうちで売上が悪い月であるといわれています。年末年始と歓送迎会の時期に挟まれた2月、帰省や旅行で人出が減少する8月に売上が落ちるのは納得できるところ。ただ、もちろん、立地や業態、客層や利用目的に依拠しており、店舗によって差が大きいです。
8月は飲食業界にとって厳しい時期ですが、猛暑が追い打ちをかけます。円安で多くの食品が高くなっている上に、酷暑による生産量の減少で、米や豚肉などをはじめとする食材が高騰。暑さで客足がさらに鈍ったり、光熱費が増加したり、衛生管理が難しくなったりと、経営はかなり厳しくなっています。
しかし、そのような状況下でも、飲食店にできることはあります。飲食店版のファストパスを導入すれば、客は並ばず、スムーズに入店できるので、来店を促せます。猛暑であるからこそ、夏メニューの需要は高いです。冷たいドリンクはもちろんのこと、冷たい料理や冷たいデザート、辛い料理やさっぱりとした料理が、客に刺さります。
世界的に温暖化が止まったとはいえず、日本の夏も厳しくなる一方。猛暑の時季には、思い切ってクローズしたり、業態を転換したりと、飲食店によってはドラスティックな転換が必要になっているかもしれません。