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名古屋発の2大アイドル、シャチとカミフレ(SKE48)が合体。その裏で起きていたことは?【前編】

斉藤貴志芸能ライター/編集者
ゼスト提供

名古屋発で活動するアイドルグループ、TEAM SHACHIとカミングフレーバー(SKE48)が合体して、コラボユニット・シャチフレを結成。シングル『I’s PRIDE』をリリースする。10人のメンバーから、TEAM SHACHIのHONOKA(秋本帆華)とNAO(咲良菜緒)、カミングフレーバーのMIYO(野村実代)とHINANO(青海ひな乃)の4人によるロングインタビューを前・後編でお届け。前編では結成裏話から語ってもらった。

テレビで観ていた方たちと一緒に歌えるとは

――シャチフレ以前に、2組の交流はあったんですか?

HINANO 去年、SKE48の番組にTEAM SHACHIさんがゲストで来てくださって、そこから少し交流が増えましたけど、今回のコラボはほぼ突然でした。

NAO そうなんです! 同じフェスに出演したりはありましたけど。

HINANO あいさつぐらいでした。

――HINANOさん、MIYOさんはSKE48に加入する前から、TEAM SHACHIは見ていました?

MIYO もちろんです。テレビやCMに名古屋の街中のポスターでも見掛けましたし、YouTubeでパフォーマンスを観たりもしていました。NAOちゃんは“ライブで煽っていた人”という印象があります。

NAO 煽りの女です(笑)。

MIYO HONOKAちゃんはかわいい歌声が最高だなと。その方たちとまさか一緒に歌えるとは。出来上がった音源を聴いたときは感動しました。

HINANO 友だちがTEAM SHACHIさんのファンで、「一緒の番組に出ていたよね? (SKE48の)14周年コンサートにも来てもらって、ズルいんだけど」と言われました。「じゃあ、またライブに来て」と言ったら、「TEAM SHACHIさんのライブなら行く」という(笑)。

ライバルなんて思ったことはないです

――TEAM SHACHIではSKE48にライバル意識もありました?

HONOKA ライバルなんて思ったことはないです。名古屋のアイドルといえばSKE48さん。ステージを観て、パフォーマンスがすごいなと思っていました。

NAO リスペクトって感じです。

HONOKA 同じ東海エリアで同じ志を持って活動していて、仲間意識みたいなものもありました。

――HINANOさんがセンターの『絶対インスピレーション』はどうでした?

HONOKA MVを観て感動しちゃいました。(第7回AKB48紅白対抗歌合戦で)須田亜香里ちゃんが私たちの楽曲『抱きしめてアンセム』をコラボして歌ってくれたことがあったんです。卒業する亜香里ちゃんとHINANOちゃんが向き合って歌っていて……。

NAO 勝手にエモくなっていました。

HINANO いやー、嬉しい!

HONOKA 1997年11月15日生まれ、愛知県出身
HONOKA 1997年11月15日生まれ、愛知県出身

激しく動きながら歌うステージに感動しました

――HINANOさん、MIYOさんはTEAM SHACHIで好きな楽曲はありますか?

MIYO いろいろありますけど、特に『エンジョイ人生』です。(テレビ愛知主催の)「ライブライブライブ!」にSKE48・8期生として出演させていただいて、TEAM SHACHIさんのステージで観たときの衝撃が忘れられません。「あんなに激しく動きながら歌えるなんて」と、めちゃめちゃ感動したんです。

NAO あれは自分たちの曲の中でも、特にエネルギーを使います。

MIYO 絶対そうですよね。『舞頂破』や『抱きしめてアンセム』も好きですけど、最近も『エンジョイ人生』のMVを観て泣きました。

HINANO NAOさんが歌うオチサビがありますよね。あそこの迫力がヤバすぎて、鳥肌が立ちます!

NAO ♪延長戦は続くよ 冒険してたいエヴィデイ~。

HINANO その♪エヴィデイ~のところの声がめっちゃ好き!

NAO シャチフレのお披露目をした1月末の私たちのライブでも、アンコールで歌ったね。

HINANO そう! 生で聴けて嬉しくて、NAOさんをめっちゃ見てました。

MIYO HINANOは「NAOさん」と呼んでるの?

HINANO 今日「NAOちゃん」に変更したけど、今はリスペクトしている話だから「NAOさん」になっちゃう(笑)。本当にカッコよくて。

NAO ありがとうございます。めっちゃ恥ずかしい(笑)。

MIYO 2003年2月1日生まれ、愛知県出身
MIYO 2003年2月1日生まれ、愛知県出身

サプライズ出演で試されていたのかなと

――今回のコラボはカミフレの1月の生配信で発表されましたが、話が出たのはいつ頃だったんですか?

HINANO 私が聞いたのは去年の秋ごろです。最初は「やったらどうする?」みたいなあいまいな話で、本当に実現するとは考えられなくて。

MIYO 私は夏に、ライブに出る直前に聞かされました(笑)。心の整理がつかないまま、とりあえずライブをやって、そのあと改めて考えてみたら、めちゃめちゃ嬉しい話だなと。いつから動くとかはなかったから、「まだかな?」ってワクワクでいっぱいでした。今「やっとこのときが来た!」みたいな。

NAO シャチは全員が夏ごろに同じタイミングで聞きましたけど、やっぱりそのときは決定ではなくて。「どう思う?」と聞かれて「やりたい、やりたい! 絶対に決めてきて!」という感じでした。

HONOKA その話を聞いたあとに、SKE48さんの14周年コンサートにサプライズ出演させていただいて、お客さんの反応も影響するんじゃないかと思いました。

NAO こちら的には実験されている感じがあったよね(笑)。

HINANO 私はそのとき、まだ聞いてませんでしたから。番組に出ていただいたあとくらいに聞いたので。

MIYO 私は知っていて、「匂わせているな」と思ってました(笑)。

HINANO えーっ、悔しい。私は呑気に楽しんでました(笑)。

NAO 1997年9月10日生まれ、愛知県出身
NAO 1997年9月10日生まれ、愛知県出身

距離がすぐ縮まって呼び捨てになりそう(笑)

――この取材日(2月上旬)で、シャチフレでの活動は何回目ですか?

HINANO 5回目くらいです。

HONOKA えっ、それだけ?

NAO そう思うよね。

MIYO こんなに距離が縮まるものなんだ。

HONOKA しかも、ちゃんとしゃべれるようになったのは3回目くらいじゃなかった? 顔合わせして、振り入れして、その次の日がMV撮影。そこでグッと近づけました。

――TEAM SHACHIが2012年に路上デビューで先輩になりますが、20歳前後のカミフレと年齢差は感じませんか?

HONOKA こっちは感じません(笑)。

HINANO こっちは感じます(笑)。大先輩なので。

NAO HINANOちゃんは一番年が近いのに(笑)。

――それで、さっきのような呼び方問題も?

HINANO 出ちゃいますね。

MIYO 私は「HONOKAちゃん」「NAOちゃん」になりました。

HINANO 私は頑張って「ちゃん」付けにしようとしています。

NAO でも、そのうちホロッと呼び捨てになりそう(笑)。

HONOKA HINANOちゃんはサバサバしているから、「おい、HONOKA」と呼ばれると思います(笑)。

HINANO 2000年11月2日生まれ、愛知県出身
HINANO 2000年11月2日生まれ、愛知県出身

強気なところで同じ匂いがしました

――これまでのお互いの言動で、印象に残っていることはありますか?

HINANO NAOちゃんは私と同じ匂いがしました。

MIYO 似てると思う。

NAO 本当に?

HINANO 結構強気なんですよね。『I’s PRIDE』のリハーサルをしていたとき、音楽も振りも頭から始まるから、スタッフさんが「ワン、ツー、スリー」ってクリックを入れてくれたんです。そこに「ズッ、ズッ、ズン」みたいなオシャレなアレンジを入れ始めて、曲に入りにくかったんですけど、これがシャチさんのやり方なのかと思って。そしたら、NAOさんが「普通のクリックをお願いします」と言ってくれました。

――それがHINANOさんと似てるということは……。

HINANO 私もカミフレではそうなんです。みんなが悩んでいることがあったら、スタッフさんに「ちょっといいですか?」と言うのが私。

NAO もの申す係ね(笑)。

HONOKA 勇ましくて頼りになる。

NAO 私もHINANOちゃんとMIYOちゃんは、しっかりキャラで頼れるなと思いました。一緒にやっていると、お互いのやり方もあるから気をつかいますよね。だけど、(カップリング曲の)『超・ワルプルギス』の振付で、マイクが当たりそうとか問題が出ると、HINANOちゃんが言ってくれて。私たちも言い合って作るから、シャチフレでも言い合えるのは嬉しかったです。

知らずに違うニックネームで呼んでました(笑)

――MIYOさんには、やっぱり「脚が長いな」と思いました?

NAO それは当たり前です(笑)。

HONOKA 最初に見たときから思ってました。

NAO 子どもが見ても「脚が長い」と言うと思います。本当にスタイルが良くて。

HINANO HONOKAちゃんは柔軟で、空間に溶け込むタイプだよね。

HONOKA 溶け込んでる?

HINANO 溶け込みすぎてる。カミフレで言うとENAタイプ。甘え上手なイメージがあって、人をトリコにしそう。シャチさんでは、はるっぴが一番年下ですよね。

NAO HARUNA(坂本遥奈)のことは「はるっぴ」なの? 一瞬、誰かと思った。そう呼んでる人はいないから(笑)。

HINANO ニックネームは「はるっぴ」ですよね?

NAO ううん。「ハル」だから(笑)。

HINANO はるっぴがSNSでコメントしてくれたとき、「好きっぴ」と送りました。

NAO 絶対そのニュアンスは伝わってないと思う(笑)。

HINANO 私の中では勝手に「はるっぴ」になっていて(笑)。だけど、HONOKAちゃんのほうが末っ子感があります。

NAO そのうち裏の顔が見えてくるから(笑)。

HONOKA ちょっと! それ以上は言わなくていい(笑)。

NAO いいギャップを持っているので、そこが見えると面白い(笑)。

HINANO ほじくりたいです(笑)。

TEAM SHACHI (C)STARDUST PROMOTION, INC.
TEAM SHACHI (C)STARDUST PROMOTION, INC.

引っ張り方がちょっと違うのかな

HONOKA 私も2人がカミフレちゃんを引っ張っている感じがします。MIYOちゃんはリーダーだし、HINANOちゃんはアネゴだし(笑)。でも、引っ張り方がちょっと違うのかな。MIYOちゃんはまず自分が正解を見つけてから、みんなに言う。HINANOちゃんはみんなで一緒に正解を探す。

HINANO めっちゃ見てくれてますね。私は自分ができてるかどうかより、「こうしたい」という欲が強くて。だから、確かに「一緒にやろう」と言っているかもしれません。

MIYO 私は正解だと思っても、自分の中で考え込んでしまうんです。「これを言っていいのかな」と迷っていることを、HINANOは何のためらいもなく言ってくれるから、いいコンビネーションだと思います。いい意味で何をするかわからないのは、HINANOとNAOちゃんが似てる部分で、そういうメンバーはグループに絶対必要なんです。私は考えているようで、何も考えてなくて(笑)。

HONOKA そんなことはないでしょう。

MIYO いや、私は意外に単純なんです。だから、人にダマされやすい。HONOKAちゃんも絶対そうですよね?

HONOKA まだ仕事は5回目だよ(笑)。

MIYO 似たようなオーラを感じるからこそ、一緒にいて違和感がなくて、うまく溶け込めたと思います。

――メンバーカラーもHONOKAさんとMIYOさんが赤、NAOさんとHINANOさんが青ですね。

HINANO たぶん一見、私たちがグイグイ引っ張っているようで、最終的にまとめてくれるのはMIYOたちなんです。

NAO そう、そう。結局はHONOKAたちのほうに落ち着く。

HINANO 私たちはやりたい放題やって、「あとは任せた」という(笑)。

シャチフレインタビュー後編はこちら

TEAM SHACHI

ももいろクローバーZ、私立恵比寿中学に続くスターダストプロモーションのアイドルグループとして、愛知出身のメンバーで結成。2012年にチームしゃちほことして、名古屋城で路上ライブデビュー。2013年に『首都移転計画』でメジャーデビュー。2018年に改名。2022年にプライベートレーベル「ワクワクレコーズ」から、EP『舞いの頂点を極めし時、私達は如何なる困難をも打ち破る』をリリース。

カミングフレーバー

SKE48の次世代ユニットとして、2019年に結成。SKE48の25thシングルに『せ~ので言おうぜ!』を収録。2021年に1stミニアルバム『かみふれ!』、1stシングル『カメリア』を発売。

シャチフレライブ

3月1日(水) 「dot yell fes 2 周年 SP」出演 KT Zepp Yokohama

4月20日(木) 名古屋 DIAMOND HALL

5月18日(木) 新宿 BLAZE

シャチフレSPECIALサイト

芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

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