Yahoo!ニュース

今年の全クールで連ドラ主要キャストの吉川愛。『マイダイアリー』は「推し活に本気なのが役と重なります」

斉藤貴志芸能ライター/編集者
(C)ABCテレビ

今年の4クールすべてで、連続ドラマにメインキャストとして出演を続けた吉川愛。放送中の大学生の青春群像劇『マイダイアリー』では、裕福な家庭で育ちメンズアイドルの推し活に励む白石まひるを演じている。今年の出演作ではコミカルからミステリアスまで様々な形でインパクトを残してきたが、今回は喜びも悩みも抱える等身大の若者像が胸に染みる。

ワンちゃんと一緒に3時間歩いたり

――今年は全クールで連続ドラマにレギュラー出演。舞台も挟むと昨年夏から出ずっぱりで、充実しているかと思いますが、体はキツくないですか?

吉川 最近は思ったよりスケジュールに余裕があって、お休みも取れているので全然平気です。前回の『降り積もれ孤独な死よ』は山梨ロケで、移動が少し大変なことはありました。それ以外はまったく問題なかったです。

――体調に気を配って何かをしたりは?

吉川 よく歩くようになりました。長いと1日3時間、ワンちゃんと一緒に歩いたり。1時間半散歩して、何時間か休憩して、また1時間半歩いて帰る生活をしています。

――それだけ歩くと、かえって疲れないですか?

吉川 歩くのは好きなので、全然苦ではないです。

役への感情移入がしやすくなりました

――この1~2年にこれだけ出演が続く背景で、何か演技に覚醒したとか、努力してきたことが実ったような感覚もありますか?

吉川 考え方が昔と変わってきました。以前は「こういうふうに演技しよう」とかプランを何となく決めていたのが、なくなってきています。もともと感覚派ではあったのが、ますますそうなって、役への感情移入がしやすくなりました。

――それは大きいでしょうね。

吉川 「こんな気持ちにならなければ」と考えることが減って、いつの間にか役の感情になっています。今はふとした瞬間に「この役だったらこうなるな」と、自然に演じられていることが多いです。

――事前に準備はしつつなんでしょうけど。

吉川 もちろん、役への理解を深める作業は必要です。そこが掴めたら、あとは素直な心の動きを大切にしていて。そうなれたのは、本当にここ最近です。

推しが生活にどれだけ影響するかわかります

――『街並み照らすヤツら』でポンコツな新米刑事、『降り積もれ孤独な死よ』で謎めいた事件の生存者と演じてきて、今回の『マイダイアリー』のまひるは日常寄りの役ですね。

吉川 等身大でとても演じやすいです。性格的にもわかりやすいですし、推し活をしているところも私自身との共通点なので。推しへの気持ちの強さや私生活がどれくらい影響を受けるかは、すごく共感できます。

――吉川さんはTWICEを推しているんですよね。

吉川 サナヨン(サナとナヨン)推しです。あと、BIGBANGのSOLさんも好きで、アニメだと『妖狐×僕SS』の髏々宮カルタちゃん、最近だと『ブルーロック』の凪(誠士郎)くんを推しています。

仕事ではなく自分で会いに行きたくて

――以前、TWICEの日本人ユニットMISAMOのショウケースに行ったことを、インスタに投稿されていました。普段はどんな推し活をしているんですか?

吉川 グッズも集めますし、イベントやコラボカフェやフェスにも行きます。アーティストだと握手会があるので、何とか当てようとしています。でも、まだ1回も当たったことはありません(笑)。今回のTWICEのアルバムでも落選してしまいました。

――握手会に行く気はあるんですね。

吉川 もちろんです。お仕事としてお会いするのではなく、きちんと推しとして、自分で足を運びたいので、会うとなったら握手会かなと。

――まひるの部屋の一角には、推しているアイドルのグッズが飾られていますが、そういうスペースもありますか?

吉川 推しボックスは作っていて、ポスターなどは一度見たら、全部そこに収納しています。

悶絶して気持ちを誰かに伝えなければと

――推し活にも愛でるとかガチ恋とかいろいろありますが、吉川さんはどんな気持ちでやっているんですか?

吉川 推しは私のすべてです(笑)。癒されますし、手の届かない存在でも、気分も人生も明るくしてくれます。動画を観て「うわーっ、かわいい! カッコいい!」と悶絶して、この気持ちを誰かに伝えなければと、母に連絡したり(笑)。

――お母さんも困られるのではないかと(笑)。

吉川 困っていますね(笑)。「うん、良かったね」と流されます。

――ただ、まひるの推すRIMは有名とは程遠いメンズグループのメンバーという設定。TWICEのような大スターを推すのと違いはないですか?

吉川 熱は一緒だと思います。距離感が近いので、とてもいいですよね。ショッピングモールで歌っていて、すぐ近くで見られるし、一緒にチェキも撮れますから。アニメのキャラクターだと同じ次元にも存在していないので、すごく羨ましいです。

思い出したくなる友だちはいいなと

――推し活の話が長くなりましたが(笑)、まひるたち大学生の青春や葛藤はイメージできましたか?

吉川 私自身は大学に行っていないので、自分の感覚で演じている部分もあります。ただ、5人が集まれば、自然と大学生らしい空気感は出ている気がしていて。大学生活を送っていたのなら、こんな感じかなと、いろいろ想像しながら撮影しています。

――学食とか空き教室とか、実際の大学で撮っているんですよね?

吉川 そうです。本当の学生の方もいらっしゃって、少しだけ大学の空気感は味わえています。すごくきれいな大学で、こんなに広いと自転車が要るなとか、そんなことも考えました。

――劇中の5人の関係はどう思います?

吉川 とても素敵だなと思います。振り返って思い出したくなる友だち、という感じで。

――そういう友だちは吉川さんにもいますか?

吉川 はい、います。幼なじみで、もう子どもがいる子もいて、全員で集まるのは年1回くらいです。会うと話が止まりません。

トラウマの大きさは人によって違うので

――大学3年生になって進路で悩む……みたいな経験はないですよね?

吉川 そうですね。私はこのお仕事をすると決めていたので、進路にはまったく悩みませんでした。

――まひるが裕福な家庭で育ったことは意識していますか?

吉川 そこは意識しすぎないようにしています。ただ、姿勢の良さやものに触れるときのていねいさに気を配ったり、食事のシーンの所作で育ちの良さが垣間見えるようには心掛けています。

――3話では、まひるが心に抱えているものを乗り越えようとするストーリーがあります。そこまで大きなことでなくても、似た経験はありますか?

吉川 私も生きているので、表に出さなくても、辛い想いをした経験はあります。過去のトラウマは人によって大きさが違って、ずっと引きずることもあるだろうし、まひるはある場所に行くと思い出してしまう。向き合い方は人それぞれなので、あまり自分のことを持ち込まず、台本を読んで監督とすり合わせをしました。

自由な空気ができていて楽です

――撮影の現場で特に印象的なことはありました?

吉川 みんな本当にマイペースで、一緒にごはんを食べるときもあれば、個々で自由に動いていても何とも思いません。自分が1人でいても気にしないし、そのときに話したい人と話す感じなので楽ですね。

――最初からそういう空気感だったんですか?

吉川 わりとそんな空気ができていたと思います。最初は少し緊張感がありましたが、話すうちにお互いの好きなものを知っていって、すぐに打ち解けました。

――意外な一面を知ったりも?

吉川 たくさんありました。清原(果耶)さんはスッとしているイメージでしたけど、大阪出身ということもあって、お笑い系が好きなんです。すごく話しやすくて、一緒にふざけたりもしています。見上(愛)さんは見た目も存在感も全部がアート。毎日違うくらい、いろいろな面を持っていて、頭も良くて。そんな3人が一緒にいるのが面白いです。

日記は1ヵ月で終わりました

――役に入ると、それぞれ切り替わるわけですか?

吉川 切り替えているのかはわからないです。3人とも意外と役に近いかもしれません。見上さんはご本人も役的にも竹を割ったような性格で、ハンサムな印象です。

――まひるは役柄的にはおっとりした性格です。

吉川 女の子っぽいので、少しゆっくりしゃべったり、語尾を上げたりして、かわいらしく見えるように演じています。

――ちなみに、吉川さんはダイアリー=日記をつけたことは?

吉川 つけようとして、1ヵ月くらいで終わりました(笑)。山梨ロケに日記帳を持っていき損ねて、そこで日記の存在を忘れてから、書かなくなりました。

――一度は書こうと思ったのは、何か理由があったんですか?

吉川 私は忘れっぽいので、過去を振り返ったとき、こういうことがあったな、こんなものを食べたな……と思い出せたらいいなと考えたんです。でも、もう再開しないと思います(笑)。

やりたいことをやって未来に繋がれば

――10月の終わりには25歳の誕生日を迎えました。20代の折り返しの年齢ではありますが、意識はしますか?

吉川 まったく意識していないです。今までと何も変わりません。

――1日3時間歩いていると、体力が落ちてきたこともなく?

吉川 体力は年々落ちていると思います(笑)。歩くだけなら大丈夫でも、階段が本当に嫌いで、数段上っただけで体力の落ち具合を感じます。

――20代後半をどう過ごすか、みたいなことは考えませんか?

吉川 どうでしょう。今までも流れに身を任せてきたところがあるので、そのときにやりたいことをやって、結果的に未来に繋がればいいかなと思います。

――『マイダイアリー』がクライマックスに入る頃には年末に差し掛かってきますが、クリスマスとかは盛り上がりますか?

吉川 毎年クリスマスマーケットを3件くらい回りますし、ディスニーランドにも行きます。お部屋もクリスマスに合った装飾をしていて。と言っても、何かをちょっと置くくらいですが(笑)、気持ち的にはすごく楽しみです。

研音提供
研音提供

Profile

吉川愛(よしかわ・あい)

1999年10月28日生まれ、東京都出身。2006年にドラマデビュー。主な出演作はドラマ『純愛ディソナンス』、『真夏のシンデレラ』、『マルス-ゼロの革命-』、『降り積もれ孤独な死よ』、映画『虹色デイズ』、『転がるビー玉』、『ハニーレモンソーダ』など。ドラマ『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)に出演中。

『マイダイアリー』

ABCテレビ・テレビ朝日系 日曜22:15~(11月10日は22:30~)

公式HP

(C)ABCテレビ
(C)ABCテレビ
芸能ライター/編集者

埼玉県朝霞市出身。オリコンで雑誌『weekly oricon』、『月刊De-view』編集部などを経てフリーライター&編集者に。女優、アイドル、声優のインタビューや評論をエンタメサイトや雑誌で執筆中。監修本に『アイドル冬の時代 今こそ振り返るその光と影』『女性声優アーティストディスクガイド』(シンコーミュージック刊)など。取材・執筆の『井上喜久子17才です「おいおい!」』、『勝平大百科 50キャラで見る僕の声優史』、『90歳現役声優 元気をつくる「声」の話』(イマジカインフォス刊)が発売中。

斉藤貴志の最近の記事