ノルウェーでは、「処女検査」がいまだにおこなわれていた
ノルウェーの医師は、患者やその親からの依頼があれば、合法で処女検査をすることができる。処女膜が破れていないかどうか、女性が性交渉をしなかったかどうか。移民第二世代などのノルウェー人女性は、家族の名誉のために、処女検査を強制されることがある。
「これはヘルスケアではなく、抑圧」
ベント・ホイエ保健・ケアサービス大臣は、9月6日、政府の公式HP、自身のFacebook、地元メディアなどで、処女検査における問題提起をした。
「これはヘルスケアではなく、抑圧です。これはノルウェーで起きていることです。多くの医師が、このような診察にノーと言っていることを願います。しかし、一部の医者は、イエスと応じているのです。これは、若い女性の性生活と私生活の制御であり、ノルウェーの価値観とは相いれないものです」。
大臣の問題提起で、「ノルウェーでは処女検査が合法でおこなわれているのか」と驚いた反応が、ネットのコメント欄では目立った。地元メディアでは、貞操が重んじられる文化の国々を移民背景にもつ、ノルウェー人女性たちの体験談が複数紹介されている。
VG紙への取材では、事情に詳しいアミナ・ビタールさん(32)は、両親が子どもを厳しく管理しており、外国へ旅行に行った際に処女検査を強いられることは珍しくないと語る。「しかし、そのような検査がノルウェー国内でおこなわれていることには、驚きを隠せません。ノルウェーの医師たちは、法に無力を感じる少女たちの思いを助長させています」。
処女検査は現状の法律で禁止可能
15日、ホイエ保健・ケアサービス大臣は、新たな見解を政府の公式HPなどで発表。「処女検査は違法である」との見解を示した。
大臣は法律の専門家に問い合わせ、検査を禁止できる法律はノルウェーにはないと確認。しかし、個人の尊厳を脅かし、医学の知識が欠如していることから、新しい法律を作らずとも、禁止することが可能だとする。
「処女検査と呼ばれる検査で、性行為をしたかどうか証明することは不可能。これは解剖学の知識の欠如です。性行為をしたことがない女性の中には、最初の性行為で出血をすると信じている人も多くいます。しかし、実際は最初の性行為で出血しない女性も多くいます。医師がこのような検査をし、診断書をだすことは違法。医師が若い女性たちの生活を、このようにコントロールすることも法から外れています」。
「処女検査の禁止を求める声がありますが、私の判断では、すでに我々はこれを禁止する法をもっています」とし、大臣は、今後政府の委員会で話し合い、医療関係者を招待し、議論する機会を設けることを発表した。
「このような不快な検査に終止符を打てるように、私はできる限りのことをします。ノルウェーの女性は、自分の人生は自分の思う通りに生きるのです」。
ホイエ保健・ケアサービス大臣(保守党)は、自身は同性愛者としても知られており、首相が所属する保守党の党員と同性婚をしている。「手術なしで6歳から法律上の性別が変更可能になった」法案を実現した大臣でもあり、ノルウェーのセクシュアリティや平等政策の改善に積極的な政治家のひとりだ。
Yahoo!JAPAN
ノルウェーの政治家は、性的少数者の人権を守ろうと、こんなにも必死だ。右翼・左翼は関係ない
ハフィントンポスト