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ノーベル平和賞受賞者を選ぶ委員会、ノルウェーのポピュリスト政治家が新メンバーに?

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
お騒がせ議員、与党・進歩党のハーゲン氏 Photo:Askai Abumi

ノーベル平和賞の受賞者を選考するノルウェー・ノーベル委員会の新メンバーに、右翼ポピュリスト政党(または極右と説明されることもある)「進歩党」のカール・I・ハーゲン元党首が推薦される可能性がまた浮上している。

14日の産業紙DNによると、国会の進歩党グループはハーゲン氏を推薦する方針だとリークした。

進歩党といえば現在はイェンセン財務大臣(現党首)やリストハウグ移民・社会統合大臣が注目を集めやすいが、それ以上の物議を醸す言動で知られる人物がハーゲン氏だ。

今の進歩党を形作ったのは、ハーゲン氏といっても過言ではなく、党のおじいちゃん的存在となる。

委員会のメンバーは国会で議席数が多い各党から推薦される。

ハーゲン氏は2011年も委員会のメンバーになりたがっていたことで知られている。

現在は、首都オスロの市議会で議員を務め、国会でも党の代理議員となっている(議員が休暇・欠席などの際に代理で国務を務める)。

国会の代理議員では中立性が低いとして、正式に国会から任命されるのは難しいのではという声があるが、進歩党は同氏をそれでも推薦する構えだ。

ハーゲン氏を推薦したいとする同党のイェッデ氏は「ハーゲンが国会に立つことがあったとしても、国会の他の者とノーベル委員会の業務における話はしないはずだ」とDN紙に答える。

自身のFacebookやメディアで移民・難民政策以外でも過激な言動を繰り返すことで有名なハーゲン氏。地元メディアは頻繁に同氏がノーベル委員会のメンバーになるのではと報道を繰り返している。

もし同氏が委員会メンバーになることがあるとすれば? ノルウェーからノーベル平和賞に関する、これまでとは違う衝撃的なニュースが世界中に頻繁に届くようになるのではと筆者は思う。

Photo&Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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