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大谷翔平を含め、本塁打のトップ5が全員ポストシーズンを逃す!? 過去にそんなことはあったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
V.ゲレーロJr.(左)とM.シミエン Jul 30, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 リーグを問わず、本塁打のトップ5を上から順に並べると、48本のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)、46本のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、45本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)、44本のマーカス・シミエン(ブルージェイズ)、42本のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)となる(9月30日時点)。トップ4は、ア・リーグのトップ4でもある。タティースJr.は、ナ・リーグのトップだ。

 彼らがそれぞれ在籍するチームのうち、ロイヤルズとエンジェルス、パドレスの3チームは、すでにポストシーズンへ進めないことが確定している。ゲレーロJr.とシミエンがいるブルージェイズも、そうなるかもしれない。現時点のブルージェイズは、ワイルドカード・レースの4位に位置する。2位タイに並ぶボストン・レッドソックスとシアトル・マリナーズとは1ゲーム差。残すはあと3試合だ。

 本塁打トップ5の選手を擁するチームが、揃ってポストシーズンを逃せば、11年ぶりのことになる。1リーグ3地区制がスタートした1994年以降(1994年はストライキによってポストシーズンは開催されなかった)、そうなったのは2010年しかない。ワイルドカードが1リーグ2チームに増えた2012年以降は、皆無だ。ちなみに、1リーグ2地区制だった1969~1993年は5度。地区制が始まる前については調べていないが、もっと多いと思われる。

筆者作成
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 2010年の5人中4人は、違う年にポストシーズンでプレーしている。アルバート・プーホルス(現ロサンゼルス・ドジャース)、ポール・コネルコミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)の3人は、ワールドシリーズ優勝も味わった。一方、アダム・ダンはポストシーズンの試合に一度も出場しないまま、選手生活を終えた。現役最終年となった2014年に、ダンが在籍するオークランド・アスレティックスはワイルドカードをゲットしてポストシーズンへ進んだが、ダンに出場機会は巡ってこなかった。これについては、先月、「ダルビッシュ有と秋山翔吾。2人のうち、ポストシーズンに出場できるのは1人だけ」で書いた。

 今シーズンの本塁打トップ5のなかで、メジャーリーグでポストシーズンを経験していないのは、大谷だけだ。ペレスはワールドシリーズでもプレーし、そこで優勝した2015年は、シリーズMVPを受賞した。

 なお、今年のポストシーズンに本塁打トップ5が不在とならないのは、ブルージェイズがワイルドカードを手にした場合だけではない。他の選手がトップ5にランクインする可能性も、わずかながら残っている。

 本塁打トップ10の後半にいるのは、39本のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と38本の4人、ジョーイ・ギャロ(ヤンキース)、ミッチ・ハニガー(シアトル・マリナーズ)、アダム・デュボール(アトランタ・ブレーブス)、マット・オルソン(アスレティックス)だ。アスレティックスはポストシーズンを逃したが、ブレーブスは地区優勝を決めていて、ヤンキースはワイルドカード・レースの1位、マリナーズは2位タイに位置する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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