二種類の餡玉に涼と浪漫を託して「二ツ星」で魅せる仙太郎さんのちょっと大人な七夕菓子
色とりどりの短冊に願いを託し、笹の葉につるして夏の夜を楽しむ七夕。町のあちこちでみかけるようになった装飾に、老若男女問わずなんとなく浮足立ってしまうような節句だと思うのですが、いかがでしょう。また、七夕そうめんやちらし寿司といった家族で食卓を楽しく囲めるようなメニューもSNSやスーパーでプッシュアップされるように。
家族団欒も良いのですが、ちょとシックで大人な七夕のお菓子はいかがでしょうか?
今回は、京都の老舗・仙太郎さんの七夕ならではの和菓子「二ツ星」をご紹介。
笹舟にのせられた老玉と茶玉。こちらのお菓子、こし餡を丸めた餡玉を羊羹液に潜らせた伝統的な和菓子なのですが、定番商品と季節限定品のお取合せです。
まずは「老玉」。沖縄県産黒糖を使用した羊羹液を、仙太郎さん謹製のこし餡たっぷりとまとわせた定番商品。力強く立ち昇る黒糖の香りに圧倒されつつ、スンと鼻を刺激する柑橘系の爽やかな清香。強かな黒糖羊羹のどことなく野趣漂う甘味をそっといなすようなこし餡の丁寧な味わい。
そのまろやかさを引き締める、柚子の如き柑橘系のゼリーのキリッとした刺激が、心地よい仕上がりに。
対して季節限定の「茶玉」は、滋味深い深緑色が印象的な玉露餡とその色合いに煌めきを添える透明な錦玉を纏ったお菓子。笹の葉のすっきりとした要素と、まろやかかつ澄んだ玉露のほろ苦い旨味と香りが絶妙に漂う今の季節に相応しい味わい。
そこに華を添えるのが、なんとワインのゼリー。葡萄でもブルーベリーでもなく、ワインのもつ深く芳醇な後味は、色合いと風味双方兼ね備えたアクセサリーのような輝きを放ちます。
そしてこちらの「二ツ星」という菓銘と佇まい。黒は牽牛、緑は織姫のように見えませんか?そのふたつの星が、一艘の笹舟に乗って身を寄せ合いながら天の川に揺蕩いながら、つかの間の逢瀬を楽しむ…
シンプルながらも、想像力を掻き立てられるロマンチックな作品でした。
こちらは7月7日までの限定品となっております。