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京都の新しく定着した年中行事

山村純也京都の魅力を発信する「らくたび」代表

1000年続く伝統行事が珍しくない京都にあって、近年、新しく年中行事として定着したものも数多くある。去る12月23日に行われた2つの年中行事もそんな中の一つである。

まずは矢田寺にて行われた「かぼちゃ供養」。矢田寺は紫陽花寺として知られる奈良の矢田寺の別院として平安時代に満慶上人によって創建されたお寺である。

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満慶上人は閻魔大王に菩薩戒を授けた縁で地獄を見せてもらうこととなり、そこで見た苦しむ人々を救う地蔵菩薩の姿に感銘を受け、この世に戻って地蔵菩薩を祀ったいう逸話を持つ。矢田寺はこの縁起があることから、8月16日の五山の送り火の日には「送り鐘」を撞くことによって、先祖をあの世へ送るという年中行事を行っている。

そんな矢田寺が20年ほど前から始めたのが「かぼちゃ供養」である。冬至付近になる12月23日に、中風除けや厄除けのためにかぼちゃを参拝者に無料で振る舞うことが、年々浸透し、ここ数年では始まる10時前には写真のような長蛇の列となる。

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10時から並んで焚きたてのかぼちゃをいただいたあとは、鴨川へ向ってみる。そこでは11時から「鴨川サンタマラソン」が10年ほど前から行われている。クリスマスイブの前日に100人のサンタクロースの格好をした参加者が、三条大橋から丸太町橋の間をそれぞれのペースで往復する。年々参加者が増えており、現在は抽選で参加者を選ぶほどに認知度が上がってきた。橋の上から見学する見学者と、走っている参加者が「メリークリスマス♪」といいながら手を振りあうほのぼのとした光景が印象的だ。

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来年の大河ドラマは長州藩が舞台となる。この鴨川付近は、長州藩邸跡(現在京都ホテルオークラ)や料亭「幾松」、大村益次郎遭難の地、木戸孝允旧邸やかつての花街・三本木など長州藩ゆかりの史跡が目白押し、来年は観光客が増えることが大いに予想されるエリアである。

京都の魅力を発信する「らくたび」代表

1973年、京都生まれ。立命館大学在学中にプロの観光ガイドとして京都・奈良を案内。卒業後は大手旅行会社に勤務。2006年4月、京都観光を総合的にプロデュースする「(株)らくたび」を創立。以後、ツアープロデューサー、ツアー講師として活躍。2007年3月に「らくたび文庫」を創刊。現在、NHK文化センター、大阪シティーアカデミー、ウェーブ産経、サンケイリビング新聞社の講師、京都商工会議所の京都検定講師も務める。著書・執筆に『幕末 龍馬の京都案内』、『京都・国宝の美』、『見る 歩く 学ぶ 京都御所』(コトコト)など。京都検定1級取得。

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