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【河内長野市】寺ヶ池もうひとりの偉人!赤峰交差点近くに楠木一族の子孫・和田興次平が新田開発をした碑。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

市内に数多くある池の中でも、歴史的な由緒があり公園として整備されただけでなく、2021年には世界かんがい施設遺産に登録された寺ヶ池と寺ヶ池水路があります。ところで赤峰交差点の近くの公園入口のトイレ前に、説明版付の石碑を見つけました。

寺ヶ池といえば、1600年代前半に池と水路をつくった江戸時代の偉人・上原村の庄屋だった中村與次兵衛(なかむらよじべえ)という人が頭に浮かびます。しかし石碑は中村さんとは別に和田興次平という偉人がいることを紹介していました。

説明版があります。引用してみましょう。

和田興次平は、明治時代のはじめに開発された赤峯新田の工事に尽力した人物です。この石碑は明治12年(1879)に、その功績を検証するために建てられたものです。

すぐ近くに赤峰という交差点がありますが、かつてこの場所には新田(新たに耕作された田んぼ)があったということですね。赤嶺は交差点の他にも赤峰市民広場がありますが、現在はバス道沿いになっている赤峰台地と呼ばれていたところに新たに田んぼを開墾したことのようです。

江戸時代から明治時代にかけて河内長野市内でも地元有力者の主導による新田の開発が盛んにおこなわれていました。楠木氏一族である和田家は、江戸時代には、代々膳所藩の代官や掛屋(かけや:藩の公金出納を扱った商人)を務めた家であり、和田家に残る古文書は江戸時代の(河内長野)市内を知る上で重要な史料となっています。

和田家については、河内和田氏が楠木氏と有力なつながりがあるようです。楠木正成の弟の正季についても「和田七郎」という通称名が載っているほどだそうです。その子孫が和田氏となって藩の代官や藩のお金を管理しているような役目を行ったとあるので、この地域の凄い有力者だったのでしょう。

野作バス停付近にある古い土蔵
野作バス停付近にある古い土蔵

和田興次平は、江戸時代中期に分家した三代目の当主に当たる人物であり、野村の庄屋を務めていました。

ちなみに個人の家なので、詳しい場所は明確にはなっていないようですが、かつて野村があった野作町には、国の登録有形文化財に和田家住宅主屋(外部リンク)があります。その母屋の三代目が和田興次平とのこと。

なおこの時、開発された赤嶺新田には現在住宅地が造成されており、大部分が消滅していますが、かつては水稲や果樹栽培が行なわれていました。

ということで当時の面影はほとんど残っていない地域ですが、寺ヶ池公園内には桃の農園があるので、これが名残のような気がします。

碑文
正面「和田興次平之記念碑 氏は明治三年(1870)最初赤嶺新田開発熱心之労ヲ表ス 野村・惣作村村赤嶺田徒中」
側面「明治十二年(1879)八月建立 石工 石亀」

側面が確認できませんでしたが、正面には「和田興次平之記念碑」とはっきり刻まれているのがわかりますね。

赤嶺新田があった場所を下から
赤嶺新田があった場所を下から

というわけで赤峰交差点近くにある和田興次平の石碑を紹介しました。石碑だけだと何のことかわかりませんが、説明版があったので意味がわかりました。今は住宅になっている寺ヶ池の横の赤峰台地を新しく田園として開発したという歴史も勉強になりました。

和田興次平の碑

住所:大阪府河内長野市千代田台町

アクセス:南海・近鉄河内長野駅、南海千代田駅からバス 赤峰バス停下車徒歩1分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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