瑞々しいこしあんを春の香りで閉じ込めて。東京都中央区で買える「ふくさ包み」の桜餅2選。
桜餅といっても、その姿形は実に様々。関東風に関西風、もしくは長命寺に道明寺…東西のみならず、そのお店によって特徴が異なる桜餅たち。
その中でも、今回は銀座と人形町にて購入可能な「ふくさ包み」の桜餅をご紹介。
ふくさ(袱紗)とは、日常的に使用する機会にはなかなか巡り合わないかもしれませんが、お茶席やご祝儀なんかを包む際に使用する、ハンカチ大きさの布のことです。
その布で、お茶席でお菓子を頂く際に使用する懐紙や、上記のご祝儀等を包んだ時の見た目に似ていることから、ふくさ包みと呼ばれることが多い仕様の桜餅です。
まずひとつ目は、人形町にお店を構える「縫月堂(ぬいげつどう)」さんの桜餅。
ぱたんぱたんと織り込まれた上品な長命寺の桜餅は、創業時はお馴染みのロールだったものの、お茶席でも食べやすいようにと、次第に変化なさったとのこと。確かに、きちんと折りたたまれた形はお茶席に映えますね。
鮮やかながらも可憐な色合いの皮はもっちり。きらきらと潤いを湛えたこし餡にはほんのり塩気を効かせているので、淡白な皮とよく合います。その皮も薄すぎず厚すぎず絶妙な加減なので、折りたたんであっても口の中の収まりが良いんです。
人形町の中では、比較的くっきりとした色合いの桜色。ソメイヨシノではなく、比較的早いうちに開花する寒緋桜といったところでしょうか。
ふたつめは、銀座四丁目交差点に本店を構える「銀座あけぼの」さんの桜餅。
なんといっても正方形の「ふくさ包み」の形状がポイント。なめらかなこしあんを、伸びの良い皮でしっかりと折りたたんで包み、てっぺんには桜の花の塩漬けをあしらった可愛らしい容姿。コロンとして愛らしい姿は、「おしゃま」な女の子のよう。
歯をたててかぶりつくと、さらさらと流れてくるような滑らかなこしあんが、口の中にじわじわと広がっていきます。もちっとした皮の食感を楽しんでいると、桜の花の塩漬けの酸味と塩気の刺激に思わずキュン。より奥行のある味わいへと変化します。
ちなみに私は、長命寺の桜の葉は外して食べることが殆どです。口直しとして、合間に少しだけ齧ることもありますが、全国和菓子協会でも推奨しているように、外せるものは外していただきます。中の皮もあんこも繊細なものが多いもので。
縫月堂さんは4月上旬ごろまで、銀座あけぼのさんは4月中旬までの販売予定とのこと。
確実に購入なさりたい方は、お電話もしくは公式ホームページよりご確認をおすすめします。
<縫月堂>
東京都中央区日本橋人形町2-7-10
03-3666-6739
東京メトロ日比谷線・都営浅草線「人形町」駅A3口より徒歩3分
定休日 日曜日
<銀座あけぼの・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座5-7-9
03-3571-3640
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座」駅A1口目の前
10時~21時(日・祝~20時)
定休日 元日