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【NHL】ヒゲではなく「髪」を伸ばすゴーリーに「神」は舞い降りるか?

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
フロリダのゴールを守るセルゲイ・ボブロフスキー(写真:NHL.com)

1993-94シーズンにNHLに加盟したフロリダ・パンサーズ。

既にご紹介のとおり、1995-96シーズンには、チーム創設3シーズン目にして、初のスタンレーカップ・ファイナルへ進出。しかし、この時は、コロラド・アバランチ相手に、一つの勝ち星も挙げることができずに4連敗。スタンレーカップ獲得はなりませんでした。

今シーズン、イースタンカンファレンスの第8シードチームとして、プレイオフを戦っているフロリダ。

攻撃面では、マシュー・カチャックがチームを牽引しています。オーバータイム(延長戦)でのゴール数は、なんと、3つ。勝負強さが際立っています。

そして、ゴールを守るのは、34歳のゴーリー、セルゲイ・ボブロフスキーです。

2010-11シーズンにデビューし、13シーズン目を迎えるボブロフスキーは、NHLの最も優れたゴーリーに贈られる「ベジナ・トロフィー」を2回も獲得!

また、母国ロシアで開催された2014年のソチオリンピックにロシア代表として出場。予選ラウンドで対戦したアメリカとの8ラウンドにも及ぶシュートアウトで、ロシアのゴールを守っていたのが、ボブロフスキー!この試合をご覧になった日本のファンの方も多かったことでしょう。

今シーズンのボブロフスキーは、3月下旬に体調を崩し、長期間、試合を欠場。

プレイオフ・ファーストラウンドのボストン・ブルーインズとの第一戦。フロリダのゴールを守ったのは、ボブロフスキーが欠場している間にフロリダのゴールを任されたアレックス・リオン。ボブロフスキーはベンチから試合を観戦せざるを得ませんでした。

しかし、レギュラーシーズンのチャンピオンであるボストンを相手に、リオンはチームを勝利に導けず、ヘッドコーチのポール・モリースは、リオンからボブロフスキーへスイッチ。初めて先発した第4戦こそ、5失点を喫して勝ち星をあげられなかったものの、それ以降のプレイオフ12試合では、11勝1敗!セーブ率 は 94.2%、GAA(1試合の平均失点) は 1.95 。チームをスタンレーカップ・ファイナルに導く活躍をみせたのです!

体調を崩した3月下旬からの日々を「ジェットコースターのようだ」と語ったボブロフスキー。彼にとって、スタンレーカップ・ファイナル進出は今回が初めてとなります。

試合中、長く伸びた髪をまとめるためにヘッドバンドを使用しているボブロフスキー。シーズンが終わると、髪のほとんどを剃り、次のシーズンが始まるまで短髪に保つのが彼のルーティンとなっています。

長く伸ばした髪でプレイオフを戦うボブロフスキー(写真:NHL.com)
長く伸ばした髪でプレイオフを戦うボブロフスキー(写真:NHL.com)

スタンレーカップ獲得まで、あと4勝。

ホッケーを楽しまないとね」との言葉を残し、ボブロフスキーはファイナルを迎えます。

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フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

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