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ドレス・スーツ姿のプロ選手たちが集結! WEリーグアウォーズを写真と共に振り返る

松原渓スポーツジャーナリスト
WEリーグアウォーズが開催された(写真提供:WEリーグ)

 6月7日、2021-22 WEリーグアウォーズが開催された。

 会場は、東京ミッドタウンのビルボードライブ東京。ガラス張りの窓から見える六本木の夜景を背景に、食事を楽しみながらステージイベントを楽しめるライブレストランだ。

 Jリーグアウォーズは例年、横浜アリーナ(17,000人収容)で開催されているが、WEリーグアウォーズは客席数300とコンパクトながら、シックでラグジュアリーな会場で行った。舞台の装飾やDJ、カメラマンやカクテルプロデューサーにも各界のスペシャリストを揃え、こだわりが感じられるステージとなった。

MCは勝村政信さんと榎戸教子さん(写真提供:WEリーグ)
MCは勝村政信さんと榎戸教子さん(写真提供:WEリーグ)

 メインMCには俳優の勝村政信さんが起用され、プレゼンターには、元なでしこジャパン主将の澤穂希さんや元日本代表の岡田武史監督や播戸竜二氏、宮本恒靖氏らの姿も。

 主役となる選手たちの華やかな装いにも注目が集まった。エレガントなドレスや爽やかなスーツに、メガネや帽子などの小物を使った個性的なコーディネートも。初年度のWEリーグを盛り上げた選手たちが、いつものユニフォーム姿とは違う魅力を見せた。

ユニフォーム姿とは異なる個性を見せた選手たち(写真提供:WEリーグ)
ユニフォーム姿とは異なる個性を見せた選手たち(写真提供:WEリーグ)

 3位の日テレ・東京ヴェルディベレーザベレーザに賞金500万円、2位の三菱重工浦和レッズレディースに賞金1000万円。優勝したINAC神戸レオネッサには賞金2000万円とともに、ガラスで作られたウーマンエンパワーメントトロフィーが贈られた。

岡島喜久子チェア、中島依美(写真提供:WEリーグ)
岡島喜久子チェア、中島依美(写真提供:WEリーグ)

 トロフィーを受け取ったキャプテンのMF中島依美は、「9年ぶりに優勝することができたので、うるっときちゃいました」と、優勝が決まった瞬間の思いを吐露。記念すべきリーグ第1号ゴールを決めた神戸のFW高瀬愛実は、「携わってきた方たちに喜んでもらえたことが、自分にとっては一番価値がありました」と語り、「来年も全員でまたここ(表彰式)に来たいです!」と、力強く宣言した。

高瀬愛実(写真提供:WEリーグ)
高瀬愛実(写真提供:WEリーグ)

 続けて、得点王のFW菅澤優衣香(浦和)、優秀監督賞の星川敬監督(神戸)、優秀審判員賞(総勢52名のレフェリー)、フェアプレー賞(浦和)、MOST IMPRESSIVE WE ACTION DAY(埼玉/毎節、試合のないチームが行うリーグの理念推進活動)などが表彰された。

播戸竜二氏、菅澤優衣香(写真提供:WEリーグ)
播戸竜二氏、菅澤優衣香(写真提供:WEリーグ)

 続けて、ベストイレブンが登壇。

ベストイレブン(写真提供:WEリーグ)
ベストイレブン(写真提供:WEリーグ)

 映えある初代MVPには、神戸のGK山下杏也加が選出された。

澤穂希さん、山下杏也加(写真提供:WEリーグ)
澤穂希さん、山下杏也加(写真提供:WEリーグ)

 アウォーズの後には、ベストイレブンの選手たちによる記者会見が行われ、表彰式では語られなかった今季の総括や、初年度の受賞への想いなどが語られた。会見での各選手のコメントを振り返りたい。

GK 山下杏也加(MVP受賞/INAC神戸レオネッサ)

今までベストイレブンを受賞した中でも一番、(今回の受賞が)嬉しかったです。今季はサッカーでもピッチの外でもたくさんの人に迷惑をかけました。いろいろな方のサポートがなければ自分はこの場にいないと思います。その中でベストイレブンとMVPを受賞できたことが嬉しいですし、みんなに感謝しています。

スクールのお手伝いをする時にも、自分から『GKをやりたい』という子はいません。その中で、プロリーグでGKがMVPを取るということは、GKも評価されることが証明されたと思うので、これからはGK(というポジション)にも注目してみてほしいな、と思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

ビッグセーブが増えたことですかね。自分でも「入ったな」と思うようなシュートを止められたことは、自分にとって成長でした。

DF 三宅 史織(INAC神戸レオネッサ)

チームの目標だった優勝をすることができて、個人としてもチームとしても良いシーズンだったと思います。来季もみんなでここにこられるよう一丸となって頑張りたいし、個人としてもまたこの素晴らしい賞をいただけるように頑張ります。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)今季、監督が星川さんになってから、守備のリーダーがいないと言われていて。最初は(リーダーシップを取るのが)難しかったのですが、山下選手とともに1年半、リーグを通して少しでもINACの守備をまとめようと頑張ることができたと思います。

DF 清水 梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)

本当はベレーザがもうちょっと、このベストイレブンに選ばれていたら…と思いますが、チームを代表してこの場に立てたことが嬉しいです。結果としてなかなかうまくいかないシーズンでしたが、絶対に次につながるシーズンだったと思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

ケガなくシーズンを終えたことが、一番良かったと思います。どこかを骨折したり捻挫したりと、ケガがすごく多くて(シーズンを通して)フル出場をしたことがなかったので。すごく疲れたシーズンでしたが、充実していました。

DF 南 萌華(三菱重工浦和レッズレディース)

WEリーグ1年目でこの賞をいただけたことを嬉しく思います。レッズは戦術的にも後ろがマンツーマンのような形で、そこで自分の良さを出せたと思いますし、みんなのおかげで取れた賞だと思うので感謝しています。次のステージ(欧州移籍が決定)でも頑張ります。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

個人としては、昨年優勝してから試合に勝つのがすごく難しくなったと感じていました。いろいろなプレーを(対戦相手に)分析されていましたが、それをかい潜(くぐ)るために自分のプレーをどう変えていくかを考えるのが難しくもあり、楽しかったです。昨年よりも長いパスや短いパスで変化をつけることに取り組んできて、出せたところもありましたし、課題も多く見つかったので、さらにレベルアップできるように取り組んでいきたいと思います。

DF 高橋 はな(三菱重工浦和レッズレディース)

いろんな方に支えられて1年目を終えることができたので、たくさんの方に感謝の思いを伝えたいです。あとは、育ててくれた家族にこのベストイレブンをしっかり報告したいと思います。毎日笑顔で前向きにやってきてよかったなと思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

レッズレディースはけが人が出てしまって、この1シーズン、私がセンターバックとして全試合に出場できたのはいろんな要因がありますけれども、少しは成長できたのかな、と思います。試合に出られたのもチームメートのおかげですし、特に(センターバックを組んだ)南選手はずっと隣で支えてくださったので、感謝しかないです。

DF 清家 貴子(三菱重工浦和レッズレディース)

私はリーグが始まる少し前に大ケガをしてしまって、開幕に間に合うか不安が大きかったのですが。シーズンが終わってこの場に立てているのは、チームメートやスタッフやトレーナー、家族、たくさんの方のおかげで。それをひしひしと感じるシーズンになりました。大好きな浦和レッズレディースの一員としてこの賞が取れたことを本当に嬉しく思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

私はサッカー以外の面で、プロリーグが始まるに当たって、チームとして浦和レッズレディースをもっと好きになってもらいたい、地域の方々に愛されるチームになりたいという思いがあったので、具体的にはスタジアムの使い方や商店街のポスター配りなど、身近なところから努力した年だったと思います。チームとしても「愛されッズレディース」というのを掲げてやってきたので、少しはその成果が出ていればいいなと思います。

MF 成宮 唯(INAC神戸レオネッサ)

自分に関わる全ての人に感謝しています。初段チャンピオンをとれて充実したシーズンを送ることができました。ありがとうございました。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

INACに来て、今までしたことのないポジションに入ったりして、星川監督にプレーの幅を広げてもらったことと、自分が今まで所属していたチームとは異なるプレースタイルのチームに来て、引き出しが増えたところです。

MF 柴田 華絵(三菱重工浦和レッズレディース)

優勝することはできませんでしたが、チームから6名が(ベストイレブンに)選ばれていることをすごく誇らしく思っています。来季は優勝して、WEリーグウォーズに出たいと思っています。私自身も今まで以上に精進してまいります。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

ケガ人が出てしまった中で、各々がチームでカバーし合っていいところを引き出し合うことができたと思います。個人としては、昨季までやってきたことの質をさらに上げることを課題としてきて、できたこともありますし、まだまだできていないところもありますので、また来季に向けて取り組んでいきたいと思います。

MF 安藤 梢(三菱重工浦和レッズレディース)

ベストイレブンに選ばれるのは、ドイツに移籍する2009年以来だったので、正直驚きましたし、若く、素晴らしい選手たちと一緒にこういう賞をいただけてとても嬉しく思っています。WEリーガーとして子供たちに夢や希望を与えることと、共にアラフォー世代に元気を与えられるような存在になれるように、今後も頑張っていきたいと思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

今季はチームの事情でボランチという新しいポジションに挑戦しました。それは自分自身も長い競技生活の中で新しいチャレンジだったなと思います。その中で周りの選手たちにたくさん助けてもらい、プレーの面でも、周りの選手たちとコミュニケーションをとって、個人としてもチームとしても、1試合1試合高めていくことができたと思います。

FW 菅澤 優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)

自分のプレースタイルをチームメートが引き出してくれて、その結果を見て選出してくださったと思うので、チームメートに感謝しかないですし、支えてくれた全ての人に感謝して、この賞を報告できればと思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

個人的に成長できた部分は、ゴール前の質です。今までは慌てて打つことも多かったのですが、今年はゴール前での落ち着きがあったからこそ、得点の決定率は高かったと思うので、そこが成長できたところかなと思います。

(WEリーグになって得点を取る難しさ)

数字に出ている通り、得点数が(以前に比べて全体的に)少なかったところでは、WEリーグ全体のディフェンスの質が高くなって、そこをこじ開けるのが難しくなっていると感じました。

FW 田中 美南(INAC神戸レオネッサ)

前半の出来では(この場に)いられなかったと思います。仲間に感謝したいです。この勝ち点差で優勝して、INACから(ベストイレブンに)4人か…という思いもありますが、来季はもっと増えるように頑張っていけたらと思います。

(プロリーグになってレベルアップしたこと)

個人的に、前半戦はサッカー人生でこんなにケガに悩まされたことがなくて、メンタル的にきつい期間が続いていましたが、ケガとの付き合い方や体との向き合い方が変わった中で、その時期を乗り越えたことでメンタル的に強くなったと思います。

(WEリーグになって得点を取る難しさ)

守備から入るチームが多く、3バックのフォーメーションを使うチームが多くなり、ゴール前の厚みが増して点を取るのが難しくなりました。(今後は)いろいろな形から得点を取れる選手が点を取れると思うので、課題として取り組みたいです。

左上から右回りに高橋、清家、南、清水、三宅、成宮、田中、菅澤、山下、柴田、安藤(写真提供:WEリーグ)
左上から右回りに高橋、清家、南、清水、三宅、成宮、田中、菅澤、山下、柴田、安藤(写真提供:WEリーグ)

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のWEリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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