ベルギーで人から猫も新型コロナ感染? 飼い主が取るべき心得と行動を獣医師が解説
新型コロナウイルスに感染した飼い主を通して、猫からウイルスが検出されたというニュースが流れてきました。
愛猫家にとって、このことをどうとらえるといいのでしょうか(決して、不安をあおっているわけではありませんので)。科学的に冷静に考えましょう。
新型コロナウイルスは、よくわかっていないことが多いので、時間が経過すれば、解明されるのでしょう。海外のニュースを見ていると、香港の犬とベルギーの猫が新型コロナウイルスに感染した可能性があるといわれています。犬の場合は不顕性感染(症状がない)で、猫は呼吸症状と消化器症状があったということで、この点は大きく違いますね。つまり以下のようになります。
・飼い主が新型コロナウイルスに感染したら、犬が感染しても症状がない。
・飼い主が新型コロナウイルスに感染したら、猫の息遣いが普段と違う。下痢と嘔吐がある。
などになるのでしょう。
現時点で、日本では飼い主が新型コロナウイルスに感染し猫も感染した可能性があると思ったとしても、調べることは難しいです。
新型コロナウイルスは人から猫に感染
ベルギーの記事を読み解いていただくと「人から猫に新型コロナウイルスが感染した可能性がある」で、その反対の「猫から人」ではないという点がわかります。
猫は、室内飼いだと、ひとりで人混みには行きません。家の中にいます。つまり飼い主が新型コロナウイルスを家に持って帰らないと、猫には、感染しないのです。飼い主は、いくら外出自粛要請があっても仕事や買い物に出ます。ただ、意識と行動様式を少し変えるだけで、新型コロナウイルスの感染を防ぐことはできます。
飼い主の取るべき行動とは
1、換気の悪い密閉空間
2、多数の人が集まる密集空間
3、間近で会話や発声をする密接空間
三つの「密」を避けましょう。
4、帰宅したら、丁寧な手洗いをしましょう。
5、猫の排泄物を速やかに処理しましょう。
6、飼い主が咳をしている場合は、マスクをしましょう。
7、飼い主が咳をしている場合は、猫の被毛を除菌シートで拭く(その場合は目や口の粘膜には気を配ってくださいね。アルコール除菌シートの場合は火気厳禁)。
8、飼い主が咳をしている場合は、カーテンや絨毯などもエタノールなどで消毒をしましょう(猫はグルーミングするので、室内のいろいろなものが被毛につきます。火気厳禁)。
9、猫に飼い主の顔を舐めさせない。
このようなことを守って、愛猫に新型コロナウイルスを感染させないように、気を配ってあげてくださいね。
まとめ
いままで、その地域しかない病気でも、世界はグローバール化に伴い、一気に病気も広まります。昔とくらべて今は物や人の移動が多いので、病気が広がる速度も早いです。
しかし、昔と違ってネットで科学的に正しい情報を得ることもできる時代になりました。基本的には、ウイルスは種の壁はこえないといわれていますが、こえることもあるかもしれません。そのときに、パニックになることなく、冷静に判断してくださいね。この記事も人から猫に感染したことが1例あったということです。稀なケースかもしれません。世界がめまぐるしく変わることもありますが、科学的知識をバージョンアップしながら、生きていきましょう。猫を大切に正しい情報を持って、ずっと飼ってあげてくださいね。