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殿堂入りは100%間違いなし。史上初の得票率100%も可能性あり!? マリアーノ・リベラの場合

宇根夏樹ベースボール・ライター
マリアーノ・リベラ SEP 2, 2011(写真:ロイター/アフロ)

 マリアーノ・リベラの殿堂入りを疑う人は、まずいないだろう。

 カッターを投げ込み、歴代最多の652セーブを挙げただけではない。クローザーに就任した1997年以降の17シーズン中、60イニング&30セーブ以上は15度を数え、防御率2.90以上は2007年(3.15)しかない。さらに、ポストシーズンの96登板と42セーブ――後者は背番号と同じ――も誰よりも多く、防御率0.70は30イニング以上のトップに位置する。デレク・ジーターアンディ・ペティットホルヘ・ポサダとともに「コア・フォー」、あるいはバーニー・ウィリアムズも含めた「コア・ファイブ」として、リベラはヤンキースの黄金時代を築いた。プレー以外においても、ステロイドの使用が噂されたことはなく、問題を起こしたこともない。

 ニューヨーク・デイリー・ニューズのクリスティ・アッカートによると、元ニューヨーク・ヤンキース監督のジョー・トーリは、11月に自身の主催するチャリティ・イベントで、記者全員から票を得て殿堂入りする可能性について「2年続けてそうなる可能性がある。モーとデレク・ジーターだ」と語ったという。モーはリベラのニックネームだ。

 ただ、満場一致、得票率100%の殿堂入りは、これまでに一人も達成していない。ケン・グリフィーJr.(2016年)に対しても、3人の記者が票を投じなかった。

筆者作成
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 賛同はしないが、ステロイド時代にプレーした選手に対しては、使用の有無を問わず、投票しない記者がいるのかもしれない。リベラの場合、クローザーだからという理由も考えられる。野手や先発投手と比べると、クローザーであってもリリーフ投手の貢献度は低いと判断し、殿堂にはふさわしくないとする記者がいてもおかしくない。リベラと同じく、ジーターも最初の投票で殿堂入りするだろうが、こちらは守備という「弱点」を持つ。華麗なジャンピングスローとは裏腹に、DRSやUZRなどのスタッツはかなり悪い。

 いずれにせよ、リベラだけでなく、次回の投票にかかるジーターも、圧倒的な数の票を集めてホール・オブ・フェイマーになるはずだ。得票率が100%でなくとも、彼らのキャリアに瑕がつくわけではない。

 ちなみに、これまでの得票率95%以上は16人、90%以上は34人だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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