知らないと損をする「発達障害」の3つの分類と驚異的な「能力」とは?
こんにちは、精神科医しょうです。
発達障害の中には「学習障害(LD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の3つあり、本日はその3つについて紹介していきます。
幼少時代に多く見られますが、軽度の場合は気づかずに大人になってから診断されることもあります。
かつては親の育て方に問題があると考えられていましたが、現在ではその考え方は否定され、遺伝や脳の過成長、先天的な機能障害など何らかの障害があると発症すると考えられています。
また、発達障害の方の中には驚異的な能力を発揮する方もいるため、周囲の理解と環境調整をとることで、活躍の場が広がることがあります。
今回は「発達障害」について解説したいと思います。
発達障害の分類とは?
発達障害は大きく3つに分類することができます。
・「学習障害(LD)」
・「注意欠陥多動性障害(ADHD)」
・「自閉症スペクトラム障害(ASD)」
順番に見ていきましょう。
・「学習障害(LD)」
読み書きや計算するなどという能力の内、特定の能力が極端に低く、習得や使用が極端にできないことがあります。
例えば教科書の内容を聞いて理解することはできても、読んで理解することが難しいといったことがあります。
薬で治るものではなく、早期発見と指導により改善が可能となります。
・「注意欠陥多動性障害(ADHD)」
じっとしているのが苦手で集中力に欠ける、衝動的な行動をとるなどが主な症状です。
学校の授業に集中できなかったり、教室の中を歩き回ったりしていた友だちがいたという方もいるのではないでしょうか?
集中力が続かない注意欠陥を主体とするタイプ、落ち着きがなくじっとしていられない多動性を主体とするタイプ、他人に手を出したり、他人の行為を邪魔したりする衝動性を主体とするタイプに分けられます。
また、複数のタイプがミックスされた混合型も多いと言われています。
・「自閉症スペクトラム障害(ASD)」
自閉症スペクトラム障害(ASD)は「自閉症」「アスペルガー症候群」の総称とされています。
言葉の発達が遅く、同じパターンの行動へのこだり、対人関係が苦手といった傾向があります。
100人に1人の子どもがこの障害と診断されると言われており、女性より男性の有病率が高いという報告もあります。
特徴的な行為・行動で孤立しやすい
発達障害の人は「強いこだわり」「特徴的な行動」「敏感な感覚」などにより、周囲から理解が得られないことも多く、孤立してしまうこともあります。
思い通りにならないと、パニックを起こして大声をあげたり、ものを壊したり、時には自分の体を傷つけたりしてしまうこともあるため、周りの人はびっくりしてしまうことも…。
結果的に自己評価が下がり、集団内で上手くやっていけないという劣等感を抱くことにつながるため、生きづらさを感じてしまいます。
・「強いこだわり」
いつも同じ道を通らないと納得しない。
家具の配置が決まっていないと混乱する
・「特徴的な行動」
ぐるぐると回る。
手を目の前でひらひらさせる。
ゆらゆらと揺れるような行動をとる。
・「敏感な感覚」
音やにおい、触覚に敏感。
特定の音を嫌がって耳をふさいだりする。
ケガをしても痛みに気づかないこともある。
天才的な能力を発揮する人々とは?
発達障害の方の中には「サヴァン症候群」と言って、驚異的な能力を発揮する人がいます。
常人ではマネできない能力で、周囲の人を驚かせてしまうことがあります。
たとえば、以下のような能力が報告されています。
・一度目を通しただけで分厚い書物を丸暗記できる
・一度聴いただけの曲をそのまま演奏できる
・目にした瞬間に風景を事細かに覚えて、絵にできる
・並外れた桁数の暗算ができる
・床に落ちたマッチの本数を瞬時に数えられる
サヴァン症候群のメカニズムは解明されていませんが、仮説としては言語や論理的な思考を司る左脳が機能障害を起こしているため、それをカバーするために右脳が通常では考えられないほどの機能を発揮するのではないかと考えられています。
発達障害を理解するには?
発達障害があると言っても、障害の種類や程度、症状は一人一人違います。
性格や年齢、環境によっても困っていることは異なりますので、それぞれに合った配慮や支援が必要となります。
発達障害を抱えている人が近くにいる時には「できたことを褒める」「安心できる環境を整える」「得意なことをお願いする」「温かく見守る」などを実践することで、本人を尊重しましょう。
まとめ
今回は「発達障害」についての分類や能力についての知見を深めました。
発達障害に関してはまだ解明されていないことも多くありますが、発達障害の人もそうでない人もお互いを認め合い、信頼できる関係作りを進めていくことができたら良いですね!
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