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創業150周年記念和菓子「かおり」香り豊かな掛川茶をほうじ茶と煎茶で味わえる上品なお菓子

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

温泉旅行、行きたいですね~!と、常日頃思っているのは私だけでしょうか。私は長風呂が好きなのですが、子供と過ごしていると烏の行水となってしまう日も多々。というかメインといいますか…。

日本にも数々の温泉地がありますが、皆さんはお気に入りの温泉はありますか?まだ訪れたことのない憧れの地、テレビでよく見る場所などありますが、本日ご紹介する和菓子屋さんもまた日本を代表する温泉地・熱海市にお店を構える老舗です。

シンプルながらも味わいの違いがわかりやすいデザインですね
シンプルながらも味わいの違いがわかりやすいデザインですね

南熱海温泉とも称される網代温泉街にて、創業1872年の「菓子舗 間瀬」さんは観光客や地元の方から愛される地域を代表するお菓子屋さんのひとつ。お土産菓子のみならず、四季折々の上生菓子も県内や都内のお茶席でも人気が高い間瀬さんには、2022年に創業150年を記念して作られたお菓子が三種類あるのです。

創業150周年記念菓子「かおり」2種
創業150周年記念菓子「かおり」2種

今回はその中のひとつ「かおり」をご紹介。

かおり、は浮島製のお菓子。浮島はこしあんに米粉(更に小麦粉を加えるところも)や卵白を合わせ、ふんわりと蒸しあげた蒸し菓子。

そしてただの浮島にあらず。特産品でもある掛川茶の煎茶とほうじ茶をそれぞれ使用した地域の魅力を活かすという試みも私が惹かれたポイントです。

温もり漂うツートンカラーの「ほうじ茶」
温もり漂うツートンカラーの「ほうじ茶」

細やかな気泡が軽やかさを演出
細やかな気泡が軽やかさを演出

「かおり ほうじ茶」ははっきりとしたオフホワイトと焦げ茶色のコントラストが目にも鮮やかな組み合わせ。二つの生地の間には、立派な大納言小豆の蜜煮がごろごろ。ほっくりとした小豆の食感は損なわずに蒸しあげているという加減も流石。香ばしさがスッと鼻腔を駆け抜け、甘さを抑えた生地は大納言小豆の甘味や豊かな風味をぐっと引き立ててくれます。

大納言小豆がたっぷりなので、真ん中でほろほろと
大納言小豆がたっぷりなので、真ん中でほろほろと

小豆がたっぷりなので、中間でぽろぽろと割れてしまいますがそれもご愛敬でしょうか。

くすみカラーが大人っぽい「煎茶」
くすみカラーが大人っぽい「煎茶」

中にも栗がごろごろと
中にも栗がごろごろと

「かおり 煎茶」は小豆こし餡の色と煎茶の深くこっくりとした緑色が落ち着いた佇まいの組み合わせ。こちらも間にはたっぷりの栗の甘露煮が閉じ込められているのですが、非常に生地と口馴染みの良いしっとりとした食感。

舌先でも潰せるようなしっとりとした栗の甘露煮
舌先でも潰せるようなしっとりとした栗の甘露煮

ほろ苦い煎茶の旨味と栗の甘味がお互いを引き立て合い、あさりとしていても満足度の高い味わいに。

華美、ではありませんがいずれも香りとさらりとした食べ口が優雅なお菓子。プラスチックのトレイに入っているので、お土産として購入してもある程度の衝撃に耐えられるので潰れる心配も最小限で済みますね。

このままケースごといただくのもありです
このままケースごといただくのもありです

網代漁港の豪快な海の幸、そして繊細な和菓子。どちらも思う存分満喫する温泉旅行はいかがでしょうか?

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<菓子舗 間瀬・本店>
公式サイト(外部リンク)
静岡県熱海市網代400-1
0557-67-011
18時~17時
定休日 木曜

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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