【大きなひとの、小さなクルマ①】フィアット パンダ初代 自身をデザイナーに導いた 簡素さと遊び心
雑誌で出会い あまりのシンプルさに衝撃
33歳のプロダクトデザイナー、佐藤さんの愛車は1983年式のフィアット・パンダとスマート・シティクーペという小さな2台。
今回はその2台のうちのパンダについて伺いました。
佐藤さんにとってのパンダとの出会いは高校生のとき、雑誌でたまたま見かけたこのクルマのインテリアに衝撃をうけたのだとか。
それがきっかけとなってデザイナーを志したといいます。
インパネとシートのレイアウトのあまりのシンプルさが魅力と語る彼は、使いやすさやコストカットだけでなく、いかに楽しいクルマにするかを考えられて作られている点に感銘をうけたのだそう。
後期型から前期型に乗り換え 小さくても窮屈感なし
大人になってから初代パンダの後期型を手に入れたものの、高校生の時に受けた衝撃が忘れられず、前期型に乗り換えたとのこと。
20年ほど生産されていた初期型のうち、前期型と呼ばれるものの生産期間はわずかに5年程度、なかなか市場に出てこないといいます。
数々の名車を生み出したジウジアーロが手がけたこのクルマ、自身でも最高傑作と評しているのだとか。
乗り込んでみると小さなボディゆえの密着感が心地よく、それでいて窮屈感のない室内です。
ハンモック形状になっているシートは取り外し可能で、家族がピクニックすることを想定しているのだとか。
しかし座り心地が悪く、長距離の移動には向いていないと評します。
非力ながら気持ち良い走り 小柄なボディも魅力
45psのエンジンは非力でありながらよく回り、4速MTとの組み合わせで気持ちよく走れるクルマです。
また現代の軽自動車より少し幅広い程度のコンパクトなボディゆえ、どんなところでも駐車できるのが魅力の一つなのだとか。
長距離には向いていないと話しつつも、年に一度浜松で開催されるパンダの集まりには必ず自走で参加するといいます。
ご自身の職業を選んだきっかけにもなったこのクルマ、もう手放せないと語ってくれました。