握り方を変えればバーディーチャンスが増えるかも!?これから注目されそうなグリップの仕方【ゴルフ】
その時プロゴルフ界で強いゴルファーのグリップが、その時代のスタンダードグリップ、となる風潮にある。
強めのフックグリップが特徴の選手が強い時代は、フックグリップがスタンダードと言われやすいし、ウィークグリップの選手が強い時代は、ウィークグリップがスタンダードと言われやすい。
そんな風潮をふまえると、これから、ベースボールグリップが注目を集めるかもしれない。
なぜなら、日本男子プロゴルフツアーで、今季現時点のバーディ率が1位の清水大成は、ベースボールグリップを採用しているからだ。
テンフィンガーグリップとは異なるベースボールグリップ
右手の小指を左手の指に重ねるのがオーバーラッピンググリップ、右手小指を左手人差し指にからませるのがインターロッキンググリップと言われ、この2つがスタンダードなグリップとして認識されている。
そして、10本の指全部で握るグリップをテンフィンガーグリップと言う。
テンフィンガーは、左手親指をクラブに当てて右手の平で包み込むようにするが、左手親指も野球のバットを握るようにするグリップの仕方もある。
これが、清水が採用しているベースボールグリップ。
ジュニア時代に教わっていた篠塚武久コーチが提唱しているのがこのグリップで、同門にはツアー通算3勝、2018年に賞金ランキング9位となった時松隆光がいる。もちろん、時松もベースボールグリップだ。
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一般的なグリップの問題点とベースボールグリップの利点
一般的なグリップの問題点
オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップは、左手の親指に過度に力が入りやすい。だから、練習量が多いツアー選手は左手親指を痛めやすかったりする。
バックスイングからダウンスイングにかけて、左手の親指にクラブが乗るような形になるため、親指でクラブの重力や慣性の力を受け止め過ぎてしまうのだ。
多くのゴルファーの場合、こうなると、トップの位置での左手の背屈につながるため、クラブフェースの過度な開きにつながる。
そして、ダウンスイングからインパクトにかけて、クラブヘッドを親指で押さえこみ、「アーリーリリース」や「キャスティング」というエラーが起こりやすくなる。
ベースボールグリップの利点
ベースボールグリップの特徴として、左手親指に過度に力が入りにくくなる点が挙げられる。
左手の親指にクラブが乗らないので、良い意味で力を入れられない。
よって、クラブの慣性や重みが生きて、より自然なスイング軌道を描きやすくなる。
また、練習量が多くなっても、左手親指を痛めにくい。
練習ドリルとして有効
ベースボールグリップは、実際のグリップとして採用しなくても、練習ドリルとして試してみる価値がある。
親指の力が使いにくくなる分、クラブのおさまりが悪く不安定な感じがするかもしれないが、その感じは、余計な力みが抑えられていることによるもので、悪いものではない。
「切り返しでクラブの動きが不安定に感じるけど意外に当たる」「強く叩ける感じがしないけど意外に飛ぶ」といったことを体感することで、いつものグリップに戻したときに、クラブの支え方や手の力感がより良くなる期待が持てる。
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