Yahoo!ニュース

オートバイのあれこれ『空冷最速ネイキッド・XJR400』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今朝は『空冷最速ネイキッド・XJR400』をテーマにお話ししようと思います。

カワサキ『ゼファー』に端を発して始まった、90年代のネイキッドブーム。

そのなかでヤマハが生み出したのが、『XJR400』でした。

▲XJR400(1993/画像引用元:ヤマハ発動機)
▲XJR400(1993/画像引用元:ヤマハ発動機)

一見、ゼファーと同類のオートバイに思われがちですが、ヤマハはゼファーとは異なる方向性でXJRを作っていました。

ヤマハがXJRの開発テーマとしたのが、「空冷最速」。

ネイキッドモデルではありつつも、高いスポーツ性を持たせることを狙っていたのです。

ゼファーはそもそも80年代の行き過ぎたレプリカブームに対するアンチテーゼとして生み出され、そのキャラクターは大人しいものとされていましたから、ヤマハの目指した先はゼファーとは正反対だったといえます。

▲ZEPHYR(1989/画像引用元:川崎重工)
▲ZEPHYR(1989/画像引用元:川崎重工)

つまり、XJRとゼファーは似て非なる存在だということ。

ヤマハのその設計思想は、XJRの各部ディティールに見てとることができます。

搭載されたエンジンは、空冷4バルブDOHCの並列4気筒で、ピークパワーは53ps。

ゼファーが2バルブの46psでしたから、XJRは同じ空冷エンジンながらゼファーに性能面で完勝していました。

▲ゼファーを完全に凌駕する空冷4気筒エンジン
▲ゼファーを完全に凌駕する空冷4気筒エンジン

また、デビュー翌年の1994年にはオーリンズ製のリヤショックが標準装備された『S』モデル(XJR400S)が追加でラインナップされるなど、走りに重きを置いた作りこみがどんどん本格化していきます。

さらに95年には、ブレンボ製のブレーキキャリパーまで備えられた『R』モデル(XJR400R)も登場し、こうしてXJRシリーズはゼファーとは完全に異なるスポーツ派の立ち位置を確立。

スポーツ性をあまり期待できなかったゼファーに対し、XJRは「見た目は流行りのネイキッドスタイルがいいけれど、スポーツ性もほしい…」という欲張りなニーズを満たしてくれる存在だったといえるでしょう。

▲足まわりを中心に豪華装備が備わっていた
▲足まわりを中心に豪華装備が備わっていた

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

Rotti.の最近の記事