プロスペクト兄弟の「天と地」。ドラフト全体1位の弟は1億ドルの新契約、全体2位の兄は解雇
メルビン・アップトンJr.とジャスティン・アップトンは、最も高順位のドラフト指名を受けた兄弟だ。兄のメルビン――かつてB.J.と名乗っていた――は2002年の全体2位、弟のジャスティンは2005年の全体1位(どちらも高校生だった)。今後、ともに全体1位の兄弟が出てこない限り、この記録は破られない。
兄は通算164本塁打&300盗塁、弟は256本塁打&138盗塁。ともに19歳でメジャーデビューし、アトランタ・ブレーブスとサンディエゴ・パドレスでは、チームメイトとしてプレーした。現在、兄は33歳、弟は30歳。どちらも、まだ引退はしていない。2016年は2人とも、140試合以上に出場した。
ただ、今の2人の立場は、天と地ほど違う。昨シーズン、弟はキャリアハイの35本塁打を放つなどベストシーズンを過ごし、11月2日にロサンゼルス・エンジェルスから5年1億600万ドルの延長契約を得た。一方、故障に見舞われた兄は、サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下のAAAで12試合に出場しただけ。12月15日にクリーブランド・インディアンズとマイナーリーグ契約を交わしたものの、3月19日に解雇された。
これは、兄の故障だけが理由ではない。近年、兄弟の差は広がりつつあった。兄のキャリアは、そうならないことを願うが、このまま終わってしまうのかもしれない。
ちなみに、アップトン兄弟の他に揃って100本塁打&100盗塁を達成した兄弟は、アイリッシュ&ボブ・ミューゼルしかいない。親子では、ボビー&バリー・ボンズ、ケン&ケン・グリフィー、ハル&ブライアン・マクレイ、ホゼ&ホゼ・クルーズ、フェリペ&モイゼス・アルーの5組が記録している。