銀座生まれの老舗「清月堂本店」さんの冷やしみたらしは、出汁とお醤油のキレが効いて夏こそ食べたい!
ここ数年、夏になると冷やしみたらしと遭遇する機会が非常に増えました。以前はカップ入りのみたらし団子ではなく通年を通して串団子のイメージがありましたが、今ではコンビニの冷蔵スイーツと一緒に並ぶほど。
創業115年以上を誇る銀座生まれ、銀座育ちといっても過言ではない老舗和菓子屋「清月堂本店」さんでも、日差しが強まると同時に冷たいみたらし団子が販売されます。銀座、といえどもオフィスビル群の一面をもつ銀座に立地しているため、働く方々のおやつとしても大人気。
今回は清月堂本店さんの冷たい和菓子「冷やしみたらし」と、冷たくなくとも涼を運んでくれる風物詩「葛焼き田楽」をご紹介。
やや壺のような形の容器に入ったお団子と飴色のタレ。手のひらに乗る程度の大きさではありますが、なんと中にはお餅が五つも入っているのです!ランチはおかずだけにして、主食に置き換えて食べられるくらいのボリューム。
意外とさらりとしたみたらしのタレはお醤油と出汁の旨味が効いており、ふんわりかろやかで柔和なもちもち食感のお団子の食感や自然で甘いお米の味わいを引き締めてくれます。
串団子の香ばしさのようなキレのあるアクセントのかわりを、お醤油や出汁が担っているかのよう。また、とろみはあるもののさらさらと喉越しの良いタレのおかげでより一層あっさりと頂くことができます。
さて、もうひとつ「葛焼き田楽」。葛焼き、という和菓子をご存知の方もいらっしゃるかと思います。葛を練り上げ、生成りのものやこし餡を合わせて固めが物を切り出し、表面に軽く焼き目を付けた御菓子でして、発祥は主に関西(奈良県や京都府)と言われています。都内では京都で修行なさった方がその流れを汲んでお作りになっているお店も。
冷房設備のないかつての日本では、夏になると積極的に見た目から涼を取り入れた食材を食してきました。葛焼きもそのひとつで、仄かに透ける色合いと軽やかな弾力から弾けるようにとろりと溶けだす葛とさりげなく立ち昇る香ばしさに、湧き水が乾いた岩に染み込むような甘さと涼しさを届けてくれます。清月堂本店さんの葛焼きは竹串にささっているので、気軽に食べられるだけではなく青笹の清涼感も相まって積極的に取り入れたい旬の和菓子です。
ひんやりつめたい食べきりサイズの冷やしみたらしか、じっくりと涼を感じる葛焼きか。甲乙つけがたい、夏ならではの和菓子の世界。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<清月堂・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区銀座7-16-15
03-3541-5588
平日 10時~19時
土曜 10時~17時
日曜 定休日