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18歳になられた悠仁さま いよいよ動き出す成年皇族としての日々

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
秋篠宮ご夫妻と長男悠仁さま(写真:毎日新聞社/アフロ)

9月6日、悠仁さまが18歳のお誕生日を迎え、民法上、成年となられた。現在、進学に向けた勉強に励んでおられるため、成年式は高校を卒業する来年3月以降に予定されているが、大きな節目であることは明らかだ。

悠仁さまが成年になられると、皇室に生まれた男性皇族方がそうであったように、今後、水面下では、さまざまなことが動き始める。悠仁さまは将来皇位を継がれる立場でもあることから、今までとは一転して多忙な日々を過ごされることになるだろう。

では、成年皇族となられた悠仁さまに、どんな日々が待ち受けているのだろうか?

◆将来天皇になるための帝王学が加速する

まず考えられるのは、悠仁さまが将来天皇になることを見据えて、即位のその日に向けて、いわゆる帝王学を学ばれるようになるのではないかという点だ。

上皇さまは、東宮御教育常時参与で、慶應義塾長を務めた小泉信三氏から、毎週2回、戦後の日本国憲法下の象徴天皇制度とはどのようなものなのか、西洋の立憲君主国を例に教えを受けられた。

天皇陛下は高校生の時、2週間に1度のペースで、夕食後、学習院大学学長の児玉幸多氏から歴代天皇の治績の講義を受けられ、また東京大学名誉教授の五味智英氏から古典文学についての教えを受けられた。

帝王学と聞くと、どうしても古い専制主義に基づいた学問のように感じるが、現代では、国民とともに歩むための姿勢や、象徴天皇としてどのようにあるべきかについて、さまざまな教養を身につけることで考えを深めていくことのようだ。

近代以降の天皇が歩まれた道のりを振り返ると、国のため国民のため、自らの欲するところを飲み込んで、私事よりも公を優先してこられたことは言を俟たない。

では、悠仁さまが学ばれる帝王学とは、具体的にどの分野の学問が推奨されるのだろうか。

上皇さま、天皇陛下、お二人の前例に倣えば、まず西洋の「立憲君主国家」の成り立ちや「歴代天皇の事績」に関しては、必須の科目となるだろう。

さらに皇室の国際親善を鑑みて、「英語」「フランス語」など、少なくとも2か国語に堪能になるよう、学習の機会を多く持たれるのではないだろうか。

海外の要人を接遇する機会も来年以降、確実に増えていくと考えられ、交流を深めるツールとして語学はやはり必須であろう。

もはや帝王学という言葉が、今では聞かれなくなったと言われているが、今以上に自らのお立場や役割について学び、皇室の一員としての認識を深められてほしいものだ。

◆悠仁さまが園遊会デビューする可能性

悠仁さまは来年3月以降に予定されている成年式を終えるまでは、学業を優先し、成年皇族としてお出ましの機会はほとんどないだろうと見られていた。

しかし、7月18日の宮内庁長官の定例会見で、宮中行事や祭祀には出席されないが、園遊会などの行事には出席される可能性があることが明らかにされた。

これにより、悠仁さまが秋の園遊会に出席されるのではないかと関心が高まっている。

もしもそれが実現したら、招待客との会話も報じられるかもしれない。どんな話題について話されるのか、またその際の受け答えなども注目を集めるだろう。そうなれば、悠仁さまのお人柄や雰囲気が伝わり、人となりが広く知られるのではないか。

ただ一方で、成年式を来年に延期したにもかかわらず、園遊会にデビューするのは時期尚早だという声が出るかもしれない。

そうした懸念はあるが、悠仁さまのお人柄を伝えるには、園遊会は絶好の機会であり、長身で目元涼やかな悠仁さまを、じっくり拝見することで、やや批判的な世論の動向も変わってくるだろう。

成年を機に悠仁さまがどんな方なのか、報じられる情報がこれから増えていくのは間違いなく、早くから国民と触れ合い、見聞したことを通じて、あるべき理想の姿を描いていってほしいと願う。

◆佳子さまのご結婚が本格的に動き始める

悠仁さまが誕生されたのは、佳子さまが小学6年生の時だった。幼い頃から弟か妹がほしいと望んでいた佳子さまは、公務が忙しい母・紀子さまを手助けして、悠仁さまのお世話を甲斐甲斐しくされてきた。

佳子さまが、平成27年の「歌会始の儀」に初めて出席した際には、悠仁さまへの愛情が感じられる、こんなお歌を詠まれていた。

「弟に本読み聞かせ ゐたる夜は 旅する母を 思ひてねむる」

令和元年には、佳子さまが悠仁さまとお二人で、「少年の主張全国大会」に出席されたこともあった。ご懇談の時、悠仁さまが中学生に話しかけるかどうか逡巡していると、気づいた佳子さまが上手に質問を投げかけ、話しやすい流れを作られていた。佳子さまは悠仁さまにとって心強い存在であることに、今も変わりない。

姉として愛情を注いでこられた悠仁さまが成年になられたことで、佳子さまも肩の荷を下ろして、人生の新たなステージへ前進できるのではないだろうか。

今年12月のお誕生日で、佳子さまは30歳になられる。いろんな噂が飛び交い、特定のお相手がいるかどうかは分からないものの、佳子さまはかねてご結婚によって皇室を離れたいと望んでいると伝えられており、いよいよ本格的に動き出すのではないだろうか。

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放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)などがある。

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