ホワイトクリスマスの定義
今年のクリスマスは、さぞやサンタやトナカイが困惑することでしょう。エルニーニョの影響で、世界各地で暖冬が続いており、雪が少ないのです。待ち焦がれたホワイトクリスマスは夢のまた夢で、今冬は例年よりも広い範囲で、雪のない「グリーンクリスマス」となります。
ところで、「ホワイトクリスマス」とはどんなイメージでしょうか。東京に住む人にとっては、12月24日か25日に雪がチラチラ舞う、そんなイメージがありますが、雪国の人々にとったら、雷とともにどかっと降る雪を想像されるかもしれません。そう、日本にはこれといって「ホワイトクリスマス」に決まりがありません。
一方、クリスマスの本場である西欧の国々では、きっちりとした定義があるようです。
アメリカの場合
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、「12月25日の朝7時に、積雪が2.5センチ以上あること」としています。積雪の数値がある上に時間まで指定しており驚きますね。この基準によると、雪が降っていたとしても、積もっていなければ認定されず、またクリスマスに降ってなくても数日前に降ったのが地面に残っていたら、ホワイトクリスマスになります。
イギリスの場合
イギリス気象庁(Met Office)は、「25日に雪が降っていること」と定義しています。仮に雪が積もらないで地面で溶けてもホワイトクリスマスですが、どんなに雪が地面にあったとしても、クリスマスの日に降っていなければダメなのです。
ところでイギリスでは、ブックメーカー(賭け屋)が、世界でも珍しい、ある賭けを行なっています。それは、ホワイトクリスマスになるかどうかの賭け。ただ、今年は百年来の暖かな12月と言われるほど暖冬なので、賭けの参加者もなかなかの苦戦を強いられそうです。
南半球の場合
一方、12月が夏で、サンタがサーフィンをしたり、海水パンツで日光浴をしていたりする南半球では、ホワイトクリスマスは平地では起こらないと思いがちです。
しかし、オーストラリアのメルボルンでは、2011年12月25日にホワイトクリスマスとなりました。なぜかというと、雹が大量に降ったからです。テニスボール大の雹や、竜巻まで発生するほど大荒れのクリスマスでした。
ホワイトクリスマスを見たいなら…
今年は例年ホワイトクリスマスとなるモスクワで連日記録的な暖かさが続いており、アメリカ北東部や日本の東北・北陸地方なども記録的に雪が少なく、北半球の各地で暖冬となっています。今年ホワイトクリスマスになるところは世界的にも非常に少なく、アラスカやカナダの北部、シベリアや山間部などの一部の地域に限られます。そんな中、北海道では25日に雪の予想が出ており、世界が羨む貴重なホワイトクリスマスとなりそうです。
皆さま、素敵なクリスマスをお過ごしください。
Bing Crosbyの"White Christmas"